抗ガン剤の効き目

悪性リンパ腫と抗ガン剤(2012.7.23)

 このサイトを開設したきっかけになったのは、もちろん私自身の体調不良ですが、ここまでしつこく健康に気を使う理由は、3年半前に妻を悪性リンパ腫でなくしたからです。

 その間2年間の闘病生活を支えた私自身も、家業と仕事の狭間で徐々に体調不良になり2年半前に早期退職。

 今は高校3年の息子と二人暮らしですが、ともかく自分が健康を害したら息子の生活に大きな影響が出ると思い早期退職を決断し、以後のんびりと生活するようにしています。

 その結果、ストレスが大きく減り、少しですが血圧が自然に下がり、日々ゆったりとした生活に変わりました。

 5年ほど前のフルタイムの勤務と病院への見舞い、更に家事という生活を考えると、ウソのように日々ノンビリしているように思えます。

 それはそれとして、妻を失って3年半。この間闘病記は「悪性リンパ腫との闘い」というサイトにまとめましたが、その後闘病記を読み返すのが辛くなり、ほとんど更新していませんでした。

 しかし最近になってようやく当時のことを冷静に考えられる精神状態に戻ってきたように思うので、あの「悪性リンパ腫」というのはいったいどうゆう病気だったんだろうか、と改めて調べ治して一部更新を始めました。

 それはそれで良いのですが、その更新の参考資料というか、私自身の勉強のために、先日図書館で抗ガン剤に付いて書かれた書籍を借りてきました。

 題名は「抗ガン剤は効かない」。著者は慶応大学の放射線科講師の近藤誠さんという方です。2011年5月に「文藝春秋」から発売されています。

 どうしてこの本に興味を持ったかというと、私の妻の死因が肺炎であり、その肺炎は悪性リンパ腫の治療で使った強い抗ガン剤によるものだったからです。

 強い抗ガン剤は白血球そのものも破壊してしまうので、患者は感染症にかかりやすくなります。そのため無菌病棟で治療を受け、白血球が徐々に回復してくるのを待つわけですが、その間に何らかの感染が起きると、一気に全身にそれが広がり、時には高熱を発します。

 私の妻の場合は、自分自身が持っていた、普段なら何の心配もないような皮膚の雑菌が肺の中で繁殖。肺炎になりました。

 もちろん白血球を意図的に増やすG-CSFと言う薬を服用してましたが、度重なる抗ガン剤治療によって骨髄そのものが疲弊し、薬を入れても白血球が増加しませんでした。

 そこまで骨髄を追い込んだのは、何クールにも及ぶ抗ガン剤治療です。治療開始後、すぐに効果があらわれ、いったんは寛解(悪性リンパ腫細胞が目視できない状態)になって退院したものの、半年後に再発。

 その後の抗ガン剤治療をやりすぎた?のではないかと思い、抗ガン剤そのものの効果を知りたくて上記の本を読み始めたわけです。

 上記の本は一般の固形ガンを主に扱い、抗ガン剤の効果について様々な疑問を呈しています。しかし悪性リンパ腫については、抗ガン剤との相性?は良いと書かれているので、それなりの治療効果は望めると思います。

 しかしこの本を読んで、今の医療現場の不透明さも知ることが出来ました。



細胞分裂とガン細胞


悪性腫瘍、悪性リンパ腫


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