細胞分裂とガン細胞

ガン細胞とはどんな細胞か(2012.7.24)

 ガン細胞とはいったいどんな細胞なのか?体内に分布している細胞の数は60兆個と言われているようですが、もとはたった1個の受精卵です。

 その受精卵が細胞分裂を重ね、やがて少しずつ各細胞の機能が分化し、人間という生命になっていきます。さらにそれぞれの細胞は成長や代謝に伴って、それぞれの目的と必要性に応じ日々細胞分裂を行っています。

 その結果我々の体は常に生き生きとした活動を行えるように調整されているわけですが、よくよく考えると何とも不思議なものだと思えます。

 個々の細胞が栄養を取りこみ、黙々とDNAを複製し、準備ができると分裂が始まり二つの細胞に分かれるわけですが、それがすべて自動で行われています。

 さらに言えば、自分の皮膚をマジマジと見つめて、これは多数の細胞の集合体だと認識できるわけですが、当然1個1個の細胞に意識はありません。

 ところがそれが脳という細胞の集合体になると、なぜか精神活動が行われるようになり、自分の生命について考えたり、意識したりすることが出来、こんな文章を書いたり、他者とコミュニケーションを取ったりすることが出来るようになります。

 またほとんどの細胞が連携して、傷や病気に自動的に立ち向かう機能を備えています。なんともはや驚嘆すべき機能だなと思います。

 一方、それぞれの細胞は

@ 分裂を続ける細胞(体細胞?)
A とりあえず最終形の細胞が出来てしまうとそれ以上分裂せず、そのままの形で残る細胞(骨細胞?)
B ある程度の期間働いたら壊れて消えていく細胞(血液の血球)

と言うように細胞ごとにその寿命が異なります。

 ところが、細胞分裂の過程でなんらかの意図しない刺激を受けると、その染色体に異常を生じることがあります。しかし通常は、異常な細胞が出来た瞬間に、自分自身で自滅するか、さもなくば体内の免疫反応が異常細胞を感知して排除します。(これもすごいメカニズムです)

 私は個人的な感覚ですが、アトピー患者はこの免疫反応が活発で、そのために時として過敏な反応をすると解釈していますので、その分ガン等の異常な細胞の発見率も高く、ガンになりにくい体質になっているのではないかと良い方に解釈しています。 (そう考えれば、アトピーの痒さや辛さもちょっと我慢できるかなと思っています)

 それはそれとして、この異常な細胞が自滅せず、さらに他の免疫細胞の監視をくぐり抜けて増殖を開始したらどうなるか。しかもこの細胞自体に自滅機能がなくなっていたり、増殖をストップさせる機能が失われていたらどうなるか。

 結局その増殖を止めるものがなくなり、その細胞は一方的に増え続けることになります。これがガンの始まりかなと考えています。そんなガンの基本的な成り立ちを考えると、抗ガン剤の働きが良く理解できるように思えます。 



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