高齢化と早期発見で

今年の新たながん患者は100万人突破?(2016.7.18)

 ヤフーの健康関連ニュースによれば、「今年がんと新たに診断、100万人超、がんセンター予測」だそうです。予想ですから本当にそうなのかと言うことは不明ですが、いずれにせよ100万人と言えば、日本の総人口の0.8%ぐらいとなり大変な数です。

 しかも最初私は勘違いしていたのですが、この数字は新たに診断される患者数ですから、すでにこの病気になっている方もいるわけで、総患者数はもっと多いということになります。

 ちなみに厚労省の統計によれば、2011年のデータですが、主な傷病の総患者数と言うデータがあって、これによれば悪性腫瘍の総患者数は約153万人となっています。

 なおこの資料で最も多いのが高血圧患者数で907万人、次が糖尿病で270万人、高脂血症189万人、心疾患161万人、そして悪性腫瘍となっています。

 最初の記事に戻りますが、この年間100万人と言う数字は1975年の5倍と言う数字だそうで、高齢化が主な要因と書かれています。

 そうかあ、がんと言う病気は高齢者がなりやすいというイメージがありますから、やはりそうなのかなと思いましたが、念のため1975年から今年2016年までの40年ぐらいで、高齢者がどのくらい増えているかを調べてみました。

 結果は1975年時点の65歳以上の高齢者人口は884万人であり、2016年の高齢者人口は3300万人だそうで約3.7倍になっています。

 余談ですが、年金財政や国民健康保険の財政がひっ迫する理由がよくわかるような気もします。

 しかしそれでも5倍に満たないということは、残りの部分は、悪性腫瘍の早期発見体制が昔より整っているということなのかもしれません。つまりがんを見つける診療技術が発達したということです。

 とはいうものの、患者側の立場に立てば、患者数が何人だろうがどうでも良いことで、問題は治癒率です。つまり科学技術の進歩によって、こういったがんの増加に対して、現在の治療は効果が上がっているのか、と言うことが気になります。

 調べてみると、それっぽいデータがあって、ここ20年ぐらいで実績は上がっているという評価のようですが、高齢化率等を調整した値ということで、ごく単純に人数当たりの死亡者数のグラフを見ると、毎年増加傾向にあるようにも見えます。

 このあたりのデータはあやふやなので、あえて私が見たページへのリンクは控えますが、要するに加齢によってがんになりやすくなり、高齢者の場合は治りにくいということかなと思います。

 しかし高齢者と言うキーワードを除くと患者数、死亡者数も増加の一途をたどっているようですから、がん治療はまだまだ道半ばです。

 最後に国立がん研究センターの2015年のデータがありましたのでリンクさせますが、患者数は激増中です。「2015年のがん患者数、死亡数予測」というデータですが、右肩上がりのグラフを見ると背筋が寒くなります。

 原因は高齢化と早期発見なのかもしれませんが、根本的な原因は喫煙や食生活にあるような気もします。



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