色の付いた果物や野菜は目に良い?

アントシアニンは網膜に良いそうです(2012.8.31)

 車で移動中、何気なくラジオを聞いていたら、アントシアニンという物質が目に良い、という話をしていました。どうして目によいのかと言うことはよく分からなかったのですが、なんだか網膜を構成している物質の元になるのだ、という説明をしていたように記憶しています。

 そこで家に戻ってネットで調べてみたところ、確かにアントシアニンは視力回復に効果がある、なんていう記述が見られます。

 もしそれが本当なら視力の弱い(近眼、乱視、老眼をすべて併せ持つ)私のような人間には朗報だなと思い、先ずはアントシアニンが含まれている食べ物を調べてみました。

 私の知識ではアントシアニンは紫色の色素だと思っていたのですが、実際には赤や青色も呈するようです。ただ基本的には紫色になると思います。

 で紫色の食べ物はと考えると、ネットではブルーベリーという語句が飛び交っていますが、実際にはブドウ、イチゴ、紫キャベツ、ナス、黒豆、紫サツマイモ、赤シソなどに多く含まれています。

 ただしこれらの食べ物に多く含まれていると言うことであって、その他の食べ物に含まれていないという訳ではないと思います。つまり普通に野菜や果物を食べていればいいという結論になるのだと思いますが、それでも気になる人はこういった色の付いた野菜や果物を多めに食べるよう意識すれば良いだけです。

 で問題は、このアントシアニンに本当に視力回復効果があるのかと言うことだと思いますが、ネットの情報でその作用について詳しく説明されたものは見つけることが出来ませんでした。ただ単に目によい、という記載が多いです。

 そこでラジオの内容で小耳にはさんだ、網膜への作用に注目して「アントシアニン 網膜」という語句で検索してみると、ようやくその原理が分かってきました。

 簡単に言うと網膜を構成している細胞の中にロドプシンという物質があり、これが光を感知すると化学変化を起こすことを利用して、我々はものを見ている事になります。

 でアントシアニンは、このロドプシンが再生するときにその反応を助ける作用があるみたいです。このロドプシンの再生が不十分だと光を感知する力が弱くなり、ものが見えにくいという状況になるのかなと思えますが、であるならば普段きちんと見えている人が、あえてアントシアニンを意識する必要はなさそうです。

 また私のような近眼老眼乱視という場合、これは水晶体や角膜等に問題があるわけですから、アントシアニンを食べることによって視力が回復するまでには至らないように思います。

 ただアントシアニン自体には、ロドプシン再合成以外の働きもあるようですから、食べないよりは食べた方が体によいと言うことになり、これは野菜や果物全般に言えることだと思います。
  
 従って「目が疲れる」時は「ブルーベリー」を食べればよいとか、その他の健康補助食品を食べればよいと言う単純な結論にはなりません。むしろだからこそ野菜や果物をたくさん食べましょう、と言うのが正しい結論のような気がします。 



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