自分の免疫力を信じて

抗生物質が効きにくい時代がやってきました(2014.5.2)


 4月30日の朝日新聞のニュースで、「抗生物質効かない」世界中で、という記事があり、関心を持って読ませてもらいました。

 世界保健機関のWHOが警告を出したと言うものですが、世界のあちこちで抗生物質の利用頻度が増えた結果、その薬に対して耐性を持つ細菌も増え、その効果が薄れている、というものです。

 さらにこのままの状態が続けば、何でもない細菌による感染が重い症状を引き起こす可能性も高くなり、抗生物質が存在しなかった時代と同じ状態になるということです。


 そこで、そもそも抗生物質とはどんな薬なのか?またどんな病気や症状で使用されているのかについて少し調べてみました。

 こういう時最初に見るのは「ウィキペディア」です。半分習慣化しています。調べてみると、最初の頃の定義は

・ 微生物が作り出す物質
・ 他の微生物の細胞の増殖や機能を阻害する

物質の総称だそうです。要するに二つの微生物を同じ場所で培養すると、片方の微生物が、もう片方の微生物の成長を邪魔する物質を作り出し、成長を抑制する、と言うことのようです。

 この性質を利用して、病気を引き起こす細胞の成長を阻害する物質が作り出され、それが抗生物質のもとになったと言えそうです。

 ところが生物学や病理学、有機化学の発達により、細菌が産生する物質以外で、効果を発揮するような薬剤を人工的に合成できるようになり、抗生物質そのものの種類も激増。あらゆる医療で活用されるようになっているということです。

 私は「抗生物質」とは生命由来のものであると言う固定観念を持っていましたが、いまや人工的な合成物質も含まれると言うことで、そうなってくると人体の中の免疫系で活躍する物質もそのうち人工的な合成物質として生産されるようになるのかなと思えます。

 結果的に、そういった薬剤の発達により、病気が撲滅できればいいのですが、当然滅ばされるほうも徐々に力をつけ、それが抗生物質の効き目を弱くしていると言うことです。

 と言うことは、たとえばインフルエンザの症状を軽くする「タミフル」なんかも、私の場合は劇的な効果をあげたように感じていますが、いずれ効かなくなる時代が来る可能性が大きいと言うことです。

 一方何でもかんでも「抗生物質」で症状を軽くする、ということを繰り返していると、元から持っていた免疫系の機能が使われず衰えてしまうことも考えられます。

 高齢者の場合は、ある意味症状を和らげる為に使用せざるを得ない場合もあるかもしれませんが、元気いっぱいの若者がインフルエンザにかかったとき、すぐにタミフルやリレンザという治療方法を選択するのは考えものだなという気もします。


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