中等症患者は自宅療養

2021.8.6

 前回の記事から6日目の更新となりますが、この間に新型コロナに関する大きな出来事がいくつか。先ずは東京都の新規感染者数が初めて5000名を越して5042名になったこと。

 それに対して、ネットの声を見ると「とんでもないことだ」「都内には行きたくない」というような感想が紹介されていましたが、仕事で嫌々都内に出勤しなくてはならない人にとっては辛い状況です。

 一方、繁華街でのインタビューに答えている人の表情や意見を聞いていると、「怖いですねえ〜」とか「外出は控えないと」というような声が聞こえてきますが、その人たちの表情からは、まだまだ本当に恐怖心を感じているようには見えません

 人間は不都合なことが起きても、本当の意味で災難が自分に降りかかってこないと、物事をどうしても自分にとって都合の良い方に解釈する傾向があるようです。

 今回の感染拡大でも、特に根拠もなく「まあ自分は感染しないだろう」とか「感染しても重症化はしないだろう」と、一部の人を覗いて、本当の意味で怖がっている人は少ないように見えます。

 さらに、周りを見回せば、昼間から出歩く人や、観光地に出かける人を多数見かけるので、「まあ大丈夫かな」と考えてしまう。

 間の悪いことに、テレビでは連日オリンピックで「金だ、銀だ」と騒いでいて、実際の競技は見れないものの、なんとなく浮かれた気分になってしまいがち。

 てなわけで、さんざん自粛自粛と言ってきた国や地方トップの言葉は日に日に効力が薄れ、その結果が現在の新規感染者数となっている感じ。
 
 東京都の新規感染者数のグラフを見ると、来週のピーク値は6000名を越えるような気もします。
 
 一方日本全体の新規感染者数は15000名を越えて、15259名。この数字も前回の記事で予測していた値とほぼ一致していますが、16000名は越さなかったのでちょっと安堵。

 さらにグラフを見ると、上昇の勢いに少し陰りが見えてきたような気もします。とはいえ上昇傾向は続いていますから、来週のピーク値は18000名前後になりそうです。

 そんな中、国は「中等症患者も自宅療養」という方針を突如発表。いきなりの発表で、今まで常に頼りにしていた医療関係者にも相談していなかったようで、かなりの勇み足。

 与野党や医療関係者、さらにツイッター等で批判が強くなり、結局中等症患者の定義を少し見直して修正。これで何とか収めようとしているみたいですが、ともかくやることが杜撰。
 
 ますます国からの要請に信頼性がなくなった印象です。良心的に考えれば、病床がこのままでは足りなくなるという危機感を持ったので、いつも後手と言われることを回避するために先手を打ったつもりなのかもしれませんが、それにしてもやはり準備が少ない。

 菅総理の説明にも論理性が感じられず、ただ単に「こうします」とい結論を言うだけ。そこまで言うんだったら、この1年半の間に、中国のように新たにコロナ専門の病院を作るとか、酸素濃縮器の大量発注とか、医療関係者、保健所関係者のの雇用制度の見直しとか、いろいろ考えられると思うのですが、結局宣言を出して自粛を要請するだけ

 そして結果的に感染者が増え、「あなたは中等症なので入院できません」と言われたんでは、たまったもんじゃない。頼りのワイクチンも、突然「数が足りないです」という現状がありながら、都知事は「早くワクチンを打ってください」と無茶を言うだけ。

 行政トップの言葉がどんどん軽く、そして信頼を失っているように思えます。 



ピークが見えてきた?


新型コロナ(2)


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