唾液の成分とその働き(3)

3 殺菌、抗菌作用をもつもの(前ページからの続き)

 話が専門的になっているので、私にもよく分からない部分が多く、ウィキペディアを参考にしながら、このページをまとめています。

 唾液の基本的な役割は食べ物を分解し、消化吸収しやすくすることだと思っていましたが、実際には皮膚と同様に、人体に対する悪影響を排除する防波堤になるような働きがあることも分かってきました。

 問題はその成分ですが、以下のようなものが書かれています。

・ リゾチーム

・ ラクトフェリン

・ ヒスタチン

・ ベルキオシダーゼ

・ アグルチニン

・ ディフェンシン

・ 免疫グロブリンIgA

・ 免疫グロブリンIgG

・ 免疫グロブリンIgM

 名前を聞いたことがあるのは、最後の免疫グロブリンだけで、後は初めて聞く名前です。有機化学や薬学、栄養学あたりを専門に勉強していた人なら分かるのかもしれません。

 いずれにしても、これらの物質が殺菌、抗菌作用を持っているということですから、もし呼吸中や食事中に充分な唾液が分泌されていなかったら、必然的に殺菌、抗菌作用が働かないことになります。

 冬場に乾燥している空気の中で口を開けて寝ていれば、外部から雑菌が口の中に入ってきます。このとき、これらの物質が十分でなかったら、雑菌は繁殖しやすくなるというのもうなづけます。

 その意味ではマスクをかけるということは、口腔内の乾燥を防ぎ、唾液を保持することによって上記の殺菌・抗菌作用の働きを強めるということになりそうです。

 また食べ物を食べるとき、よく咀嚼すれば唾液の分泌が活発になるわけですから、それだけで殺菌・抗菌作用も働くということになりそうです。

 というわけで、個々の物質についてもう少しだけ詳しく調べて簡単にまとめてみることにしました。以下ウィキペディアの内容を参考にさせてもらっています。


リゾチーム

 抗菌作用を持つ物質のようで、いわゆる細菌類の細胞壁(細菌が細胞壁を持っているとは知りませんでした。細胞膜だとばっかり思っていました。ただし植物の細胞壁とは少し構造が違うのかもしれません)に水を加えて分解する働きがあるそうです。

 鼻汁や母乳等にも含まれているそうですから、要するに外部からの細菌侵入を防ぐ防波堤の一つです。

 またどこかでちょっと聞いたことがあるなと思っていたら、「塩化リゾチーム」という名前で、風邪薬等に含まれていることも分かりました。

 
ラクトフェリン

 692個のアミノ酸が結合した物質で、唾液以外に母乳、涙、汗等にも含まれるそうです。

 鉄イオンと結合しやすいようで、精製された粉末は血液同様赤くなるようです。

 この鉄イオンですが、どうやら細菌にも含まれているようで、細菌にこのラクトフェリンが接触し、内部の鉄イオンを奪ってしまう作用があるそうです。

 また細胞壁そのものを分解する働きもあるそうですから、人体にとっては強力な防護物質となっています。

 口の中では歯周病菌の撲滅に役立ち、さらにマウスの実験では発ガンや腫瘍の転移を抑制する働きも認められているそうです。

 というわけで、それほど役に立つ物質なら、当然これを健康食品としてメーカーが注目するはずです。そう思ってちょっとアマゾンで調べてみたら、ものすごい量の製品がヒットしてびっくりです。但し必ずしも抗菌作用をテーマにしたサプリではなさそうです。

 参考までに、アマゾンで人気のある製品をリンクさせました。
 



免疫グロブリン


健康を考える基礎知識


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