アトピーの症状と初期の対策
アトピーの症状ですが、初期は前回も書きましたが、いわゆるアセモだと思っていました。どちらかというと梅雨時期から夏にかけて、汗をかいた場所で、乾きにくいところに表れることが多かったからです。
最初はなんとなくむずがゆい程度です。かゆい場所を見ると少し赤っぽくなっています。かゆくて掻いたせいで赤っぽいのか、それとも単なる反応として赤っぽいのかは、定かではありません。
これは汗のせいだなと判断できましたので、先ず石鹸等を使ってきれいに洗いました。しかし今考えると、この石鹸がまた曲者です。つまり石鹸の成分やアルカリ度数によって皮膚への刺激が異なるからです。
前ページで書いたように、アトピーは皮膚の角質層が薄くなっていますから、そこへ効果の強い石鹸や、アルカリ度数の強い石鹸を使うと、薄かった角質は汚れとともにさらに薄く削られ、皮膚はより敏感に反応することになります。
つまり皮膚を清潔に保つことは良いのですが、清潔に保つ方法に気を使わなくてはいけないということです。暑いときに汗をかくのはしょうがないので、あとはその汗を如何にうまく洗い流すかということになります。
ただ最初の頃は、アセモだと思っていましたから、そこまで気を使わずに、結構石鹸でごしごし洗ってたような気もします。ごしごし洗うのは、かゆみがあるからです。
かゆみがある患部を、石鹸液でヌルヌルさせて洗っていると、ますますかゆくなるような気がします。その結果、当然症状は悪化します。
洗ったあと、しばらくして汗をかくと、またかゆくなります。洗います。さらに角質が薄くなり、皮膚は鋭敏になります。これの繰り返しです。これで良くなるわけがありません。
しかし当時はそのような悪循環にも気が付かず、かゆみの赴くままにゴシゴシ洗い、そのあとに赤ちゃんの湿疹防止のために使う天花粉(テンカフン)をパタパタはたいて、肘や背中の肩甲骨辺りを真っ白にしていた思い出があります。
中学から高校へ
私のアトピー性皮膚炎は、激しい喘息症状が治まりつつあった中学時代に始まりました。その後私は再び父親の仕事の関係で都内に戻ってきましたが、幸いなことに喘息が悪化することはありませんでした。
高校にも無事進学し、さらに体力もつき、学校のほうは喘息で休むということはほとんどなくなりました。しかしアトピーのほうは徐々に症状が進み、夏場だけでなく、冬場に皮膚が乾燥すると、なんとなくむずがゆくなるような症状が出始めました。
自分の症状が「アトピー性皮膚炎」という名前であり、アレルギー反応であるということも理解していましたが、痒みそのものは、皮膚を洗ったり、市販の「ムヒ」のような痒み止めを塗れば充分我慢できる程度でした。
ただし石鹸については、医者からも中性のものを使うように指示され、赤ちゃん用のベビー石鹸を使うようになりました。芳香剤の入っているような石鹸はまったく使わなくなりました。
また単に水で洗うということもよくやりました。夏場など、痒いときに掻くと気持ちがいいのですが、しばらくするとさらにまた痒くなったりして、これを繰り返していると、やがて皮膚が薄くなり、あちこちで血がにじんできます。
そうなる前に、冷たい水で洗うと一時的ですが痒みが麻痺するので、これにより連続して掻くことを防止ししていました。
しかしこれらの療法はあくまで対処療法です。なんだかよく分かりませんが、突然腕の内側がむずむずしてきます。冷水をかけます。しばらくするとまた痒くなってきます。
今度は優しい石鹸で洗います。それでもまた痒くなってきます。しょうがないので痒み止めの「ムヒ」なんかを塗って、痒さをごまかします。
これの繰り返しです。医者に行くと、出来るだけ掻くな、と言われ副腎皮質ホルモンの入った痒み止めが処方されます。この薬は確かに効きました。しかしホルモン剤使用の功罪もいろいろ取りざたされた時期で、使用はなるべく控えめにしていました。
そして大学から就職となり、アトピーはさらに悪化します。