マラセチア真菌が分泌する物質

アトピー悪化の原因はマラセチア真菌?(2013.6.11)

 梅雨に入り湿気が増えてきました。それだけならいいのですが、その状態で気温が上昇すると汗が出て、それがなかなか蒸発しません。そのためかどうか確信はしていませんが、私の場合は肘の内側のアトピーが悪化します。

 最初はモゾモゾした痒みを感じ、無意識のうちに掻いたりしているのですが、その内皮膚が赤くなって、所々ポツポツと小さな膨らみが見えてきます。

 「あ〜こりゃアトピーだ」と認識すると、先ずは肌に優しいと思われる石鹸で患部を良く洗い、最後に冷水で良く冷やします。これで炎症が治まれば一段落。そうでないときはムヒをつけたりします。

 夜寝ているときに痒みを感じると、それだけで目が醒めてしまうこともあります。ついでにトイレにいって、手を洗うときにその水を痒い部分にかけて冷やします。それでも駄目なときはやはりムヒの世話になります。

 アトピー症状がひどくなってくると、こんな事が毎日のように繰り返されます。私の仕事は教員ですが、かつてアトピーがひどい時は、授業の合間の休み時間ごとに洗面所で肘の内側に水をかけていました。

 最盛期はそれでも収まらず、皮膚の一部が裂け血がにじむなんて事は当たり前で、寝ている内にシーツが血だらけになったこともあります。自宅にいるときはしょうがないなと思っていましたが、旅行で宿泊するときは寝具に血を付けないようにかなり気にしていた時期があります。

 というわけで、かなり激しい症状を経験してきたアトピーですが、最新ニュースで広島大学がアトピーの悪化因子として、汗に含まれるマラセチア属真菌が作る特定のタンパク質に含まれる物質が抗原であると確認したようです。

 私自身の症状を振り返ると、汗とアトピーはかなり密接な関係があり、予てから汗の中の何が反応しているんだろうと不思議に思っていました。

 詳細はかなり専門的な内容なので、現段階では私にもよく分かりませんが、汗に含まれる成分がアトピーを引き起こす因子になっていると言うことが確認できただけでも良かったなと思います。

 ニュースを読んだ限りですが、マラセチア真菌というのは、皮膚の表面に常に存在しているカビの一種だそうで、さらに詳しく調べると皮膚の毛穴の奧から分泌される皮脂を食べて生息していると言うことのようです。

 なんだか皮膚の表面にこういった菌類がウジャウジャいるようなイメージで気持ち悪いと感じる人もいるかもしれませんが、ウジャウジャいるイメージはたしかに間違いではなさそうです。

 ただそういった様々な菌類が皮膚表面に生息していることによって、逆に我々の皮膚が正常に保たれているという側面もあるようです。

 問題はこの生息分布の比率が崩れることにあるようで、マラセチア真菌だけが異常に増殖するような環境になると、これがアトピーの原因になる物質を作り出し、痒みを生じるという流れになるようです。

 そこまで分かれば、異常に増殖するような環境を作らなければアトピーも軽減すると言うことになりそうで、この点について、もう少し調べてみたいと思います。
 



マラセチア真菌の特徴


アトピー(2)の目次へ


トップページヘ