漢方薬(その2)

  初日は何の効果も表れなかったように思えますが、「寝る前に1回飲んだぐらいでは漢方薬は効かないはずだ。やはり数日間乃至は1週間程度続けないと効果は表れないだろう」と自分を納得させました。

 しかしこの漢方薬を処方してもらった最初の原因となった、仕事の忙しさから生じるストレスは、この頃徐々に下火になっています。すなわち漢方薬を飲むきっかけは失われつつあります。

 それでも夜中に動悸を感じるのはなぜだろう。やはりもう少し続けた方が良いのだろうか?自分自身で反問しながら悩みます。医者が処方した薬なんだから飲むのは当たり前、だとは思っていません。

 これまで自身の体に血圧やら喘息やら痛風やら風邪薬やら、ともかくこの50年間様々な薬を注入しています。その経験から考えても、医者の言うことをすべて信じてしまうのも問題があると思うようになりました。

 結局自分の体調は自分でしか分かりません。医者に自分の体調を説明するときは言葉に頼らざるを得ません。その言葉は、自分の体調の半分も説明できればいい方です。

 そしてその言葉を聞いた医者も、言葉通りに100%理解できるわけがないので、結局自分の体調の数割しか医者に伝わらないことになります。

 そんな頼りないコミュニケーションを元に、対処療法的に出された薬です。飲む飲まないの最終判断は自分で決める必要があるし、本来ならその結果の責任も自分で負わなくてはならないはずです。

 なんてことを四の五の考えながら、試しに漢方薬を1日3回飲んでみることにしました。これで動悸が収まれば、私の訴えを医者がきちんと解釈して、的確な薬を渡してくれたことになります。果たしてどうなるか?

 夜飲んだときは、その後すぐに寝てしまうので、その効果のほどは動悸が起きるかどうか、熟睡できるかどうかで判断するしかありません。

 しかし昼間飲む場合は、飲んでからの体調を自分自身で認識できます。朝食を食べ、いつもの血圧(ディオバン)と痛風(ザイロリック)の薬を飲みます。

 漢方薬には食前または食間と書かれていたので、休みの日の午前中11時頃に飲み、家でパソコンをいじりながら静かに自分の体調を見守りました。

 するとなんとなんと、飲んでから30分ぐらいして、それまで比較的穏やかだった心臓の音が徐々に高くなるのが分かりました。「おいおい、動悸を納めるために飲んだのに動悸がするとはどうゆうこと?」と疑念を感じます。

 もっとも今回の動悸と漢方薬の因果関係はなく、「何かが起きるのではないか」という精神的な緊張が動悸をもたらしたとも言えます。やっかいな反応です。

 これではいったい何が正しいのかさっぱり分かりません。この漢方薬を飲む前からちょくちょく動悸は感じていたのですから、この薬のせいとは言い切れないのが困ったところです。

 そう思ってしばらく様子を見ていると徐々に動悸が収まってきました。次に昼を食べ、また4時頃服用。しかしまたしてもしばらくして動悸を感じます。薬が合わないのか?精神が落ち着くはずなのに、かえって落ち着きません

 夕食後寝る前にまた服用。ベッドに入ってしばらくするとやはり動悸を感じます。「なんだこれは?」。動悸をなくす薬で動悸を感じていたのではたまりません。血圧を試しに測ってみるとやはり高い。95の160ぐらいあります。

 深呼吸を繰り返し、なるべく心を穏やかにするよう努め、なおかつ明日からは飲まないことを決心していたら、なんとか寝ることが出来ました。



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