健康不安を煽り立てる広告は不愉快

夥しい健康情報に振り回されないようには(2014.4.7)

  体調が良いときには、無理に健康についての話題を考えることも無いだろうと思い、ここのところ毎日更新というわけにはいかなくなっています。更新が無いのは、健康である証拠かもしれません。

 それにしても、これほどまでに世間一般が健康に関心を持つのは、高齢者が増えているということと、人間自体が自分の健康について意識できるという大脳の働きによるものであると思えます。

 そもそも犬や猫等の動物たちは、体調が悪くなれば、じっと我慢をして回復を待つというのが普通です。それによって、場合によっては命に関わることもありますが、それも宿命というか、そういった意識も無いままに生命を全うするような気もします。

 しかし人間の場合は、健康や自分自身の体調に常に関心を持ち、監視を続け、少しでも長く生きようと努力します。

 もちろんその努力は当然のことと思えるわけですが、では具体的にどうやったらいいのかという方法論がいろいろあるわけで、そこに商業主義が絡んでややこしいことになっています。

 個人的には何回も書いているように、先ずストレス解消、基本的な生活習慣、バランスの良い食事、適度な運動、充分な睡眠というのが基本になると思っています。さらに言えば、これのどれかひとつでも不十分なところがあると、そのゆがみが徐々に蓄積され、やがて体調不良に結びつくのではないかと思っています。

 ところが世の中には、こういった基本を置き去りにして、ある特定部分を取り出して、それさえ行えば健康が維持できると宣伝しているものがひじょうに多いです。

 もちろんそれらは一つ一つが正しい健康法であって間違いではないと思えるのですが、テレビや新聞の健康に関するコマーシャルや広告を見ていると、それだけを行えばといったニュアンスを強く感じます。

 それはたとえば、「これさえ食べればOK」「これを飲めば健康になる」「ここを鍛えればよい」「この部分を整えればよい」「歩けば健康」「これを使えば熟睡」とまあ、ありとあらゆる健康法が提供されています。

 確かに特定の病気がある場合、何らかの方法が効果を表すことは間違いないと思います。たとえば私のような高血圧の場合、ウォーキングを継続的に行えば、血圧は間違いなく下がります。

 しかしそれも含めて、基本は最初に書いたストレス、生活習慣、食事、運動、睡眠という五つの要素がきちんと満たされていることが条件です。暴飲暴食、睡眠不足でいくら歩いても血圧は下がりません。

 高齢者が増えて来たせいか、四六時中健康情報が流されているのはやむをえないのかもしれませんが、中には売り上げを焦るあまり、健康不安を煽りたてるような広告もあります。

 私は最近こういった健康に関するコマーシャルを逆説的に見るようになっています。これを飲めば健康になる、と言われたときは、飲まなければ不健康になるのか、と考えれば、すぐにそんなことは無いと分かるはずです。

 「ここを鍛えればよい」と書いてあったら、それ以外の部分は何もしなくていいのか?といささか斜に構えて皮肉な見方をするようになっています。そうでもしないと夥しいわけの分からない健康情報に振り回されてしまうという不安を感じているからです。



ブログを書く動機


健康な生活を送るために(2)


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