原因が分かっても、治療は対処療法

NHKの総合診療医ドクターGを見て(2014.7.19) 

 昨晩、焼酎を飲みながら就寝前にボーっとテレビを見ていたら、NHKが総合診療医ドクターGという番組をやっていました。

 どうやらすべてに精通した先生と称されるようなドクターが研修医?さんと思われる3名の方と共に、病名の分からない患者さんの症状を分析して、原因究明、病名確立、治療方針の決定ということを決定していく番組のようです。

 途中から見たので、全貌は明らかではないのですが、症状は全身の痛み、吐き気、週末に症状が激しくなる、ストレスといったもののようでした。

 こういった症状を見ながら、出演している三名の医者の卵(すでに働いている方もいるのかもしれませんが)が、確定診断を下していくわけですが、ともかく最初は三者三様の病名が提案されます。

 つまり単純な初期症状だけでは診断が難しくて、病名は、はっきり言えばどんな可能性でも考えられるということなのかもしれません。

 その後番組の進行に伴って、ヒントとなるような様々な症状が提案され、55分という番組の時間枠の中で目出度く病名が確立していく進行になっています。

 しかし、提案された病名は、番組の最後まで三者三様で、結局偉い先生が様々な分析結果のポイントを追求していくことによって、ようやく診断が確定されていくというプロセスでした。

 これを見て思ったことは

 漠然とした症状の訴えでは病名は簡単に決まらない、ということはもちろんですが、ある程度症状がはっきりしてきても、医師によって病名の判断が分かれる、ということです。

 当然ながら病名が確立したとしても、今度はその治療に対して(番組ではやっていませんでしたが)、どんな薬剤をどのくらいの期間、どのくらいの量で処方するのかといった意見交換が必要なわけで、治療というのは本当に難しいんだなと思わされました。

 結局番組の最後の方で、問題は副腎皮質ホルモンに関係するということが分かり、さらにそのホルモンを分泌している脳下垂体の機能に問題があったことが解明され、その脳下垂体の機能を補うような薬剤を投与することによって、この方の病状は改善したというまとめで終わっていました。

 しかし最後まで見て、私は「これは結局対処療法で、根本的な解決になっていないのでは」という違和感を持ちました。その際たるものは、原因となった脳下垂体の機能異常がなぜ起きたか、という事の説明がなかったからです。

 脳下垂体の機能が異常になっているから、そこから分泌されるはずの物質を外部から投与すれば健康になるという理屈は分かりますが、脳下垂体そのものは治療されていませんから、結局投与が終われば症状はぶり返すということになりそうな気もします。

 個人的に思ったのは、やはり度重なるストレスが脳下垂体に何らかの警告を発し、実は体が休養を欲している兆候ではないかということです。つまり根本原因はストレスであって、脳下垂体ではない、というのが番組を見ての感想でした。



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