検査の数値が厳しすぎる?

「健康な人」という定義は?(2014.4.4)


 昨日の記事からの続きになると思います。今日の毎日新聞朝刊の社会面に「人間ドック血液検査で新基準」という記事が出ています。

 これまでは各部門の専門学会が、それぞれの基準値を作成したようですが、今回は人間ドック学会と健康保険組合連合会が、ガン等の病歴が無い、血圧や糖尿病関係の薬を服用していない、さらに喫煙習慣が無い、という、要するに比較的健康だと思われる方たちのデータから作成した基準だそうです。

 結果は一目瞭然で、これまでより基準値がかなり緩やかになりました。つまりこれまでの基準値は、スーパーマンのような無欠の人間を参考にした健康尺度のようなものだったのかなと判断しています。

 新聞には新しい基準値と従来の基準値の比較表が掲載されています。男性の場合は、総コレステロールは151〜254となっています。従来は140〜199でしたから、かなりのアップです。

 またLDLコレステロールは従来の60〜119に対して、新基準は72〜178とこれまた大幅アップです。数字だけ見ると、従来の数値がいかに厳しかったかが良く分かります。

 そこで昨年の夏、私が受けた血液検査結果を探してちょっと調べてみることにしました。

 私の場合の数値ですが、総コレステロ−ルは246で、従来の基準なら一発アウト。新しい基準では、高いほうに位置しますが、とりあえず健康な人と言われている基準の範囲内です。

 LDLコレステロールはどうかというと、124。これまた従来の基準ではアウトなので、血液検査結果通知書には赤いマークがついています。

 しかしこれも新しい基準なら、それこそまったく問題ないことになります。

 で検診結果の表には指導ならびに注意事項と言う項目があって、脂質異常の疑いがありますとか、肝臓病の疑いがありますと書かれています。

 肝臓病についてはガンマGTPの基準値が従来55までとなっていて、私の数値がたまたま56。しかし結果は肝臓病の疑いありですから、コンピューターによる分析は杓子定規です。

 ちなみに新聞記事ではガンマGTPについても大幅に変わったと書かれていたのですが、数値が記載されていません。ネットで調べてみても不明。ただ「大幅に」という書き方を考えると、56と言う数値はまったく問題ないように思えます。

 しかし私の場合は、何回もこういった血液検査を受けて、なんとなく体感でこのぐらいの数値なら問題ないだろうと思っていましたが、初めてこういった検査を受けて、脂質異常とか肝臓病の疑いなんて書かれたら、心配性の人は、普段体調良好であっても、びっくりして病院に駆け込むかもしれません。

 その結果は昨日の記事の通りで、「本当は健康なのに病気かもしれない」と思い込む人が出る可能性があると言うことです。

 今回の新基準は、実態に即した数値を採用しているところが画期的なものだと思います。またこういった検査結果の数値は、数日で変化することもありますから、よほど極端な値が継続しない限り、自分は健康なんだと思ったほうがよさそうです。


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