エネルギーを生み出すのは
ミトコンドリア(2012.4.16)

 すべての生物の基本単位は細胞です。これは生物学のどの教科書にも書いてあります。そして動物細胞の場合は、細胞膜で囲まれた立体的な空間が細胞となります。以前の教科書は細胞を平面的に書いていたため、立体的な袋や箱、といったイメージがあまりありませんでした。

 でこの細胞膜で囲まれた、いわゆるビニール袋みたいなものの中に、いろいろな細かい働きをする物質が含まれています。 細胞膜自体には小さな穴が空いていて、ここから細胞外と物質のやりとりをします。

 細胞内の代表的な組織は、ほぼ中心にある「」と呼ばれている部分で、細胞膜同様核膜と呼ばれる膜に包まれた球状のものです。

 さらにこの核の中には、染色体と呼ばれる、ヒモのようなものが螺旋状になり、その螺旋状になったものがさらにヒモのようにぐるぐる巻きになった太い糸のようなものがあります。

 一方核以外の部分には、細胞分裂の時、二つに分かれてそれぞれの方向に新しい細胞を作る働きのある中心体と呼ばれるものがあり、さらに細胞内で必要な物質をつくるための工場となる小胞体やゴルジ体と呼ばれる組織があったりします。

 この小胞体やゴルジ体への物質の補給は細胞膜を通して行われます。しかしこれらの物質を合成するためには、物質の輸送も含めて当然エネルギーが必要で、また細胞分裂を行うにもエネルギーが必要です。そのエネルギーを生み出す組織が「ミトコンドリア」と呼ばれてているものです。

 ミトコンドリアは酸素を使って細胞内に取り込んだ栄養分を分解していきます。いわゆる生物では「内呼吸」と呼ばれる過程ですが、その化学反応の過程で取り込んだ物質が持っていたエネルギーを取りだし、このエネルギーをATPという物資に代えて貯蔵。これを必要に応じて引き出し分解しエネルギーを取り出す、ということをやっています。

 つまりミトコンドリアが活発に活動できるような状況があれば、体内での代謝活動が盛んになり、細胞はエネルギーに満ちあふれ、それを一人の人間として見たとき、活力のある元気いっぱいの人間に見える、と言うことになるのかなと思います。

 であるならば、このミトコンドリアに、良質の栄養素と酸素を提供し、さらにミトコンドリア内で活発に化学反応が起きるような酵素の働きを援助するために、体温を36.5℃前後にするという事ができれば、いつまでも瑞々しい細胞を維持できる、ということになります。 (酵素は36.5℃前後で活発に反応します)

 従って、ミトコンドリアへの栄養の供給、酸素の供給、体温の維持が、免疫細胞を活性化し、若々しい体を作る元になるといえそうです。



免疫力の強化


免疫と健康


表紙に戻る