新聞紙上の健康食品の広告を見て(2013.7.3)
相変わらず様々な健康食品が新聞で紹介されていますが、今日の毎日新聞の広告で管理栄養士の方が「中高年に大切な3つの栄養素」というコラムを書いています。
前提として「歩く速さが気になる・・・・」「ちょっとした日常の所作が大変」と書いてあって、そういったことが気になるなら「カルシウム」「ビタミンD」「タンパク質」を積極的にとりましょう、とまとめています。
さらに50代における1日の摂取推奨量が「カルシウムはシラス干しで約340g」「ビタミンDは干しシイタケで約32.7g」「タンパク質は牛肉で約434g」と書いてあります。
この辺でなんだか変だなと感じますが、さらに読み進めると、年齢と共に食が細くなるので普段の食事での摂取は困難です、と話が展開し、だとすればドリンクやサプリメントなどの併用もオススメの方法ですと結論づけています。
で、そのコラムが書かれているページのそれ以外の部分に(1ページの9割ぐらい)はカルシウム飲料の広告になっています。
さすがに何かを売ろうとするとき、説得力をもたせるために実に論理的な構成だなと思いましたが、上に書いたように真面目に読むと「何か変だな」と感じます。
先ず、加齢に伴ってある程度運動機能が衰えるのはしょうがない部分があると思いますが、その原因をすべて栄養不足としていることです。そもそも自分の体の中で、どんな栄養が不足しているのかということを知っている人はほとんどいないと思います。
次に三種類の栄養分のみを取り上げていますが、何が不足しているのか分からない以上、補給すべき栄養分をこの3つに限定するのはおかしいように思えます。
さらに各栄養素の摂取で、例えばカルシウムはシラス干し換算で340gなんて、およそ摂取不可能な数値を上げています。ところがカルシウムそのものの必要摂取量を調べてみると、50代は1日0.7gとなっています。
つまりシラス干しに換算で、およそ摂取不可能な量を書いて、足りない足りないと思わせる意図的な操作を感じてしまうわけです。
というわけで、別にこの広告だけの論理性を批判しようと思っているわけではないのですが、サラッと読むと「そんなもんか」と納得してしまうような内容でも、きちんと読むと結構不思議な事が書かれている事が多いので、そう言った興味もあってついつい健康食品の広告に注目してしまいます。
要するにどこに論理的矛盾があるのかなという興味ですが、それにしては管理栄養士という肩書きで、いくら分かりやすい表現とはいえ、例えばタンパク質は牛肉434gと平気で書いてしまうのは問題ではないかと思います。
確かに加齢と共に骨の強度が低くなるのは事実のようですから、それについてどうするかを考えないといけないとは思います。
というわけで、私自身の結論は、ベストがウォーキングだと思っています。歩けば腹が減る。腹が減れば何でも美味しく食べられる。これこそまさにバランスの良い食事の摂取の原点だと思うのですがどうでしょうか。