酵素で分解して吸収

腸が吸収できる物質の大きさ(2013.11.20)


 ビールをグイグイッと飲んで、焼き鳥にかぶりつき、もぐもぐやってごっくん。「今日もビールがうまいなあ」なんて思いながら、今度は煮込みのモツや大根を食べて、適当に噛み砕きごっくん。

 頃合いを見て味噌汁を一杯飲んで、小鉢のおかずを一つ口に入れごはん。さらにメインの焼肉なんぞを突っつきながら、さらにご飯。仕上げに漬け物を少々。なんてことを毎晩我々は繰り返しています。

 和食の場合、作法がいろいろあって、正式には何から箸をつけるのかということも決まっているようですが、まあ普通は食べたいと思うものから順に食べていきます。

 しかしよく考えると、胃の中では食べたものがごちゃ混ぜになるわけですから、あまり細かいことを考えなければ、食後にビールを飲んだって、最初にご飯から食べ始めても、結局胃の中には同じ内容物が貯まっていきます。

 さて、胃では様々な胃液酵素が分泌され、食道からドカドカと落ちてくる食べ物を、片っ端から溶かし込んでドロドロのお粥状にしていくのだと思われます。

 この粥状物質十二指腸を介し、小腸に入り、そこで栄養物が吸収されるというのが、一般的な食物の栄養摂取の考え方だと思います。

 そして吸収された栄養物は血液を通して肝臓に送られ、そこに蓄積されたり、他の物質の合成原料になったりするわけです。

 で問題は、昨日書いたように、粥状になった食物から小腸の内側の細胞がどのように栄養を吸収しているかということです。

 高校の生物の資料では、小腸の内側は柔らかい突起物で表面積を大きくするようなヒダが作られ、それによって栄養素を吸収しやすくすると書かれていますが、そのヒダの表面は細胞が並んでいるわけで、イメージとしてはレンガが多数重なって水道管を作っているような物です。

 従ってそこから栄養分を吸収するためには、細胞同士のあいだに隙間があるか、細胞の細胞膜のどこかに穴が空いているかというような状況しか考えられません。

 何を言いたいかというと、吸収できる物質の大きさ(生物や有機化学の分野では分子量といいますが)に自ずと限界があるのではということです。

 つまり大きなものは、その隙間を通過できませんから、結局便となって排出されるとい事になります。となると分子量の大きい物質で体にとって有用な物質があったとしても、それを取り込むためには様々な消化酵素等で一度は小さな分子に分解しないといけない、ということになります。

 しかし分解してしまえば元の物質とは性質が異なってしまうわけですから、いくら体にとって有用な物質であっても、それを摂取した効果は全くないと言うことになります。

 市販の薬はこういったことを考慮して作られているのだと思いますが、健康食品の場合はどうか?体内にこれこれの物質がある。これが不足しているなら、それと同じものを飲みましょう、食べましょうという宣伝が多いので、本当にそうなのかなという疑問を感じています。  


腸が吸収する分子量


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