何かを成し遂げるのに安易な道はない(2014.7.19)
今から50年近い前の中学時代。私は小学校まで苦しめられていた喘息から徐々に解放され、遅ればせながら体育の授業にも少しずつ参加。当然ながら、それまでほとんど運動らしいことをしていませんでしたから、何をやってもトロイ。
しかし喘息の発作が出なければ、ガリガリに痩せてはいましたが、なんとか最後の方からみんなについていくぐらいのことは出来ました。
ところが、喘息は良くなったものの、変わって表れたのがアトピー。こちらは息苦しいことはなく、単に「痒い」だけですが、その痒さは経験した人でないと分かってもらえないと思います。
ムズムズする、我慢する、それでもムズムズする、ちょっとだけ掻く、ものすごい快感、さらに掻く、さらに快感、これを繰り返しているうちに皮膚の表皮が薄くなり、さらに刺激に対して敏感になります。
要するにいても立ってもいられない痒さ、ということで、何をしていても痒い部分が気になるということです。
そういったことを経験しつつも、年齢的には思春期。自分自身についても、異性についても気になる頃です。そういった目で自分の肉体を客観的に眺めれば、呆れるほど情けない。
男らしさは微塵も感じられず、やせ細った、まったく精彩のない少年に見えるだろうなとがっくり。ちょうどそういった思春期の子どもたちの肉体改造への憧れを逆手に取った健康グッズが漫画雑誌の広告によく取り上げられていました。
そういった広告に刺激を受けて、おもちゃのようなエキスパンダーや鉄アレイを購入したり、縄跳びをやってみたりしましたが、ほとんどは三日坊主。
雑誌の広告で印象に残っている名前がブルーワーカー。ネットで調べてみたら、今でも販売されています。ちょっとびっくりです。アマゾンで10000円ぐらい。ということは、今でもやはり自分の肉体にコンプレックスがあったり、もっと格好良い体をつくろうと努力している若者がいるということなんだなと思いました。
というわけで、いつの時代も男たちは少しでも格好良くあろうとし、女性たちは美しくあろうとするのかなと思いますが、これはある意味生物学的に、子孫を残していくために遺伝子に刻み込まれた衝動かなと思っています。
ただ人間の場合、それを意図的に行おうとするわけですが、その努力をなるべく簡単にしたいという願いがあることも事実です。つまり気楽にボディ改造、あっという間に痩せるという道を捜し求めるわけです。
そういった願望に目をつけて、様々な健康グッズや健康食品が販売されているわけですが、早い話が「うまい話には訳がある」ということで、要するにお金だけではこういった願いはなかなかかなえられないということだと思います。
結局肉体改造にしろ、それこそ私の仕事である勉強にしろ、趣味の分野にしろ、ともかく一朝一夕に成し遂げられるようなことは、ほとんどない、と言ってよいのだと思います。
毎日毎日コツコツと努力を積み重ねていく中で、それが積もり積もって頑健な肉体が生まれ、美しいボディラインが形成されるということなのだと思います。
プライム・ワンという業者が、偽の医者と偽の体験談をでっちあげて、痩せ薬を販売。その売り上げがなんと1億6千万だそうです。一ヶ月1万円の薬だそうですが、それだったらそのお金でおいしい有機野菜を買うとか、スポーツジムに通うとか、格好いいスニーカーを買ってウォーキングとかをした方が、よほど効率的に痩せられたのではないかなという気がします。
とはいうものの、それがなかなか出来ないから、こういった業者がはびこる、ということになるような気もします。