ノルアドレナリンとドーパミン

2011年10月16日

 セロトニンは三食の食事をきちんとバランスよく食べることによって生産されることが分かりました。補足ですが、セロトニンは食事以外の運動や太陽光によっても活性化されるようです。

 従って適度の食事と、明るい陽光のもとでの運動が体に良いと言うことになります。たしかに朝起きて青空を見るだけで気持ちが軽くなりますし、実際に朝の散歩は自分の体が軽く感じられ、ウキウキするような気持ちも生じますので、このときセロトニンが活性化されているのかもしれません。

 さて、次はノルアドレナリンです。このノルアドレナリンは人間や動物では一番多く分泌されているようで、外的刺激に対して身構えるホルモンのようです。

 具体的には、外部から攻撃(ストレス)を受けたとき、血圧や血糖値を上げ、筋肉からエネルギーを放出し、筋肉の動きを増加させる働きがあります。

 要するに不愉快な言動があったとき、人間の体を闘争に駆り立てる準備をするホルモンですね。居酒屋で私のようなおっさんが、「ふざけんなよ、あいつの言っていることは滅茶苦茶だ〜!」などと息巻いていることがありますが、このときはノルアドレナリンが活発に分泌されているのかもしません。

 ただ過剰に分泌されると、一種の躁状態になってしまうようです。居酒屋で息巻いているうちはまだいいのですが、そのうちあたり構わず議論を吹っかけたり、挙句の果てに関係のない人につっかかっていったりという状態に似ているような気がします。

 一方ストレスにさらされるとこのホルモンが出るのですが、ストレスが長期間続くと、ホルモンの生産量が足りなくなります。すると足りない量でもなんとか体を闘争状態に持っていこうとするために、ホルモンの作用を感じる受容体の感度が上昇してしまい、ちょっとしたことで今度は怒りっぽくなるという状況になるようです。

 う〜ん、私の場合数年前に妻が2年ほど長期入院し、その後努力の甲斐なく他界、その間仕事はやたら忙しく、上司の援助もままならなかった状況があり、言われてみるとこの頃は怒りっぽかったなあと思えます。

 当然ながらこのホルモンが不足すれば、無気力で無関心と言ううつ病症状を示すことになりますが、長期のストレスでホルモン生産が間に合わなくなり、さらに受容体感度も低下するとそのような症状になるのかなとも思えます。

 私の場合は、うつ病に近いような状態まで追い込まれ、これではいかんと思い、ギリギリの状態で早期退職を選択し今に至っていますので、このあたりのホルモンバランスの話は経験的によく分かるような気がします。


2011年10月17日

 ストレスに関する最後の物質はドーパミンですね。化学的な構造式を見ると、セロトニンもノルアドレナリンもドーパミンもみんな似たような構造をしてます。ほんのちょっとした構造式の違いで、その作用が変わってくると言うのも、当たり前のようで不思議な気がします。

 基本的にドーパミンは集中力や快楽の感情を生み出す働きがあるようですが、当然ながら過剰に出れば、いわゆるハイな状態になり、さらにそれを越すと幻覚や幻聴を起こすようです。

 子供達は一般的に大人と比べて様々なことに興味を持ち、夢中になりますが、これもドーパミンの分泌量が大人より多いからだそうです。だとすると、最近の無気力、無関心、無感動な子供達にはドーパミンが不足しているか、ドーパミンを作る栄養素が不足しているのではとも思えます。

 しかし人間が意識していない部分で、こういったホルモンが分泌され、それがその人全体の感覚や感情に影響を与えると言うのは凄いですね。

 ストレスがあったとき、セロトニンは神経を沈静化させ、それでも駄目なときはノルアドレナリンで闘争本能をかきたてるわけです。またストレスがあったとしても、ドーパミンが充分行き渡っていれば、それがむしろ心地良い刺激となり、やる気を生み出すと言うことになりそうです。

 しかしこれらのホルモンも、通常のストレスや一過性のものなら上記のように対応できますが、ストレスの継続時間が数週間、数ヶ月、数年間と長くなったり、ストレスそのものが非常に深刻で、自分だけでは解決できなくなると、ホルモンの生産量が追いつかなくなったり、そのバランスが狂ったりして、人は徐々にいわゆる「うつ状態」に落ち込んでいくのかもしれません。

 最近では介護によるストレスで、長年連れ添った伴侶に手をかけるなんていう事件もあります。これも長年と言う部分がキーワードかなと思います。

 折りしも「連れがうつになりまして」なんていう映画も公開されるようですね。私の場合は、本格的な「うつ」になる前にストレスから遠ざかることができたので良かったのですが、勤労者にうつが増えるというのも、現状の社会を見ているとよくわかるような気がします。

 頭痛に始まって、ストレスそして脳内物質の分泌と順次調べてきました。では過剰なストレスを感じたらどうしたらよいのか、というのが今後のテーマになりそうです。



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