関東各地の浄水場で
ホルムアルデヒドを検出(2012.5.20)

 何だかよく分かりませんが、関東地方のあちこちの浄水場でホルムアルデヒドが検出されているようで、取水停止騒ぎが起きています。最初は正直なところあまり関係ないだろうと思っていたのですが、徐々にその領域が拡大。改めてこのニュースの流れを追ってみました。

 最初の報道は18日です。埼玉、千葉両県内の浄水場で18日に国の水質基準値(1リットルあたり0.08mg)をうわまわるホルムアルデヒドが検出されたと報道がありました。

 この時は行田浄水場(埼玉県行田市)庄和浄水場(埼玉県春日部市)、上花浄水場(千葉県野田市)とのことだったので、何だか変なニュースだなと思っていました。

 当初、原因は工場排水ではないかということで調査が始まっています。ちなみにmgという単位は1gの1000分の1で、水1リットルは1kgですから、1kg=1000gの水の中に0.00008g含まれていると、ちょうど基準値になります。

 ご存じの方も多いと思いますが、ホルムアルデヒドは化学式はHCHOと表され、この40%水溶液は防腐剤として使われています。理科室に置いてある解剖された生物標本の中に入っている液体ですね。

 というわけであの防腐剤がほんの微量ですが水道に混ざったとなれば、やはり不安になります。実際、この記事にも「ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質とされ・・・中略・・・吸引すると発ガンの恐れがある」と書かれています。

 浄水場としては、この時は当面活性炭で吸着処理をするとのことでした。活性炭は脱臭剤に使われていることからも分かるように、表面に微細な凸凹があり、この凸凹の中に臭い等の様々な分子を取り込む性質があります。これを吸着と言います。

 しかしその後吸着には限界があると判断したのか、午後10時に行田浄水場が取水制限開始。これにより埼玉県内の23市町と茨城県五霞町で水道が出にくくなりました。

 ところがその後千葉県流山市の北千葉浄水場でもホルムアルデヒドを検出。取水を停止。18日の夜10時35分配信の記事です。

 一方庄和浄水場では15日からホルムアルデヒドを検出していたことも分かり18日深夜に取水を停止。さらに千葉県で3箇所の浄水場が取水を停止したことにより19日昼ぐらいからから千葉県の約21万世帯で断水。

 さらに群馬県でも一部の浄水場が取水を停止していたことが分かり、今回のホルムアルデヒドが広範囲に広がっていることを印象づけました。

 それやこれやで断水世帯は広がる一方となり、千葉では最大35万世帯が影響をうけたようです。その後も断水や取水制限があちこちで断続的に続き今日に至っていますが、原因は不明。

 今日になって埼玉県東部三郷浄水場でも、18日に1リットルあたり0.024mgだったホルムアルデヒドが20日正午に0.110mgになったため送水停止。

 県は多少飲んでも健康に被害はない、と宣言していますが、なんだか放射性物質の飛散の時の報道を思い出しました。今後の推移を注視したいと思います。



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