今の60代の歩く速さは、昔の40代?

ウォーキング速度と年齢(2013.9.25)

 今日の毎日新聞朝刊2面の「イマジン」というシリーズものの記事で「125歳まで生きる」という記事がありました。日本は全世界から注目されている超高齢化社会のトップランナーであると書かれています。

 まったくその通りだと思いますが、よく考えてみると、私自身もそのトップランナー競技にに参加している、競技者の一人ではないかと言うことに気がつきました。これまでは若干他人事だったような気もします。

 記事の中で高齢者が昔に較べて若返っている理由として、歩く速さを基準にすると、2002年度で10年前より11歳若がえっていたそうです。 

 「本当かな」「だったら今の私の先日来の歩行速度測定から得られた値は、何歳ぐらいに相当するんだろうか」ということが気になり、ネットで検索してみると、ちょっと古いですが「ヒトの歩行」という広島大学と九州芸術工科大学の研究者が発表している論文が見つかりました。

 ちなみに昨日私が普通にウォーキングをしていたときの秒速は1.375mで、分速になおすと60倍して82.5(m/分) となります。(論文中の速さの単位が分速なので、これに換算しました)

 最初に出ているのが1925年に測定したという、かなり古いデータです。今から90年ぐらい前ですから、身長そのものも低く、歩幅も狭かったと思われます。当時の社会に身長172cmの私が突然出現したら、ほとんどの人より頭一つ分近く抜きんでていたかなと思われます。(想像です)

 で当時の男性60から69歳の歩く速さは74.6(m/分)となっています。結構早いなというイメージですが、最も速く歩いていた年代は30代で79.6(m/分)となっていますから、私がこの時代に行くと、頭一つ抜きんでて、誰よりも早く歩くという姿になりそうです。

 続いて1975年のデータ。60から64歳は70.1(m/分)となっていて、1925年よりも遅くなっています。一方30〜34歳は95.5(m/分)となっていて、これはその前後の年齢層よりもさらに抜きんでた値です。(前後はすべて80(m/分)代です。この頃私は20代前半。)

 今の私の分速をこの1975年にあてはめると40代の速さと言うことになりそうです。一方このとき最高速をマークしていた30年代は、いまちょうど70歳前後。元々速く歩いていた方達だと言うことになります。

 と言うことは若い頃からキビキビと(悪い言い方ではセカセカと)歩いていた人たちは、自然に脚力がついて、高齢になっても歩く速さがあまり衰えないと言うことになりそうです。

 ちなみに歩く速さだけを考えていますが、歩くというのは全身運動であり、脳の活動によって筋肉がきちんと制御されていると言うことでもあります。さらに筋肉を維持するためには食生活や睡眠といった要素も必要になるわけで、極端な事を言えば早歩きが出来る人は、健康な体であるともいえそうです。

 その意味では、職業柄ちょっと心配していることがあります。それは最近の高校生の歩きは妙に遅い、ということです。最寄り駅からキビキビ歩いて学校に向かう高校生を見たことがありません。

 学校に魅力がないからだと言われればそれまでですが、一時期コンビニの前に座り込んでお菓子を食べている高校生を見かけることもよくありました。電車の中で立っていられず床に座り込んでしまう、軟体動物のような高校生もいました。

 「そんなんでまともな仕事が出来るんかよ」とつい言いたくなってしまいます。次世代を担う若者としては、ちょっと不安な姿です。



3回目の速歩ウォーキング


ウォーキング


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