腸はグルコースやアミノ酸を吸収

腸が吸収できる物質の分子量(2013.11.21)


 腸壁から何らかの物質や栄養素を吸収(通過?)させるとき、当然その物質を通過させる通路か隙間がないといけないわけですが、その大きさはどのくらいなのか?

 化学や栄養学では、それぞれの物質の大きさは分子量という言葉で表されることが多いので、これについてネットで調べてみました。

 ところが意外なことにはっきりと書かれているものがほとんどありません。「分子量1000ぐらいまでなら」という記述は見つかりましたが、「最近の研究では場合によっては高分子の物質も」という曖昧な記述もありはっきりしません。

 そこで再び手元にある高校の生物の資料集を見ているのですが、その中に「消化の過程」という表があって、口から入る「デンプン」「スクロース」「ラクトース」「タンパク質」「脂肪」といったものが、各種の消化酵素で分解されていく過程が示されています。

 聞き慣れない専門用語が多いので解釈に苦労しますが、そもそも我々の体のエネルギー源の一つである糖分にはいろいろな種類があります。もっとも簡単で代表的なものが「グルコース」(ブドウ糖)と言われているものです。

 このグルコースと化学的な構造が似通っているものもいろいろある上に、これらの糖は互いに結合して、長い鎖状になったり網状になったりすることが出来ます。こういったものの代表例が「デンプン」です。

 また単純に上記のグルコースのような物質が二つくっついたものもあります。これらが「スクロース」「ラクトース」と呼ばれているもので、これらを総称して炭水化物と呼んでいます。

 分子量ですが、グルコースは180、スクロースが342、デンプンはそれらが多数繋がったもので数万から数百万となっています。

 タンパク質は、上記の物質が炭素、酸素、水素で出来ているのに較べて、これに窒素や硫黄が加わったものです。タンパク質を構成する元になっているものは「アミノ酸」という物質で、人間にとって絶対必要なアミノ酸を必須アミノ酸と呼んでいます。

 アミノ酸の分子量は75から200ぐらいで、これが多数組み合わさってタンパク質が出来ていますから、その分子量は5000から上限は数億と言われているようです。

 最後に脂肪ですが、特有の化学的構造を持っていて水に溶けにくい物質です。分子量は小さなもので300ぐらい?大きなものは1000ぐらいでしょうか?

 以上のものを口から摂取するわけですが、当然分子量が大きいものは消化吸収できませんから、各種の酵素で小さな分子に分解していきます。

 出来るものは最終的にグルコースやアミノ酸、グリセリン、脂肪酸といったもので、これらの分子量は100から500といったところでしょうか。

 つまりこのサイズの物質が腸壁から吸収されやすいという結論になりそうです。


グルコースやアミノ酸の分子量


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