継続するストレスと鬱

2011年10月18日
 ストレスを考える上で時間的な要素が大きいのではないかと思いつきました。つまりある瞬間に感じるストレスだけなら、その時間が過ぎればなんとなくうやむやになり落ち着くということです。

 これは人間社会の中では常に感じていることですね。私の場合は、車の運転をしているときに良く感じます。今日は妙に赤信号で引っかかるなとか、対向車が強引に右折してきたとか、自転車や歩行者が飛び出してきたとき感じるストレスです。

 仕事をしているとき、突然思っても見ないことを言われたり、上司に怒られたり、というのも該当すると思います。

 しかしこれらは自分の平常心をしっかりコントロールできていれば、比較的おだやかに対応することが出来ます。その鍵となるのは、これまで調べてきた「セロトニン」の働きによるものではないかと思います。

 要するに、一瞬ムッとするわけですが、「いやいや、これはたまたま偶然が重なっただけでしょうがないや」とか、「まあいろいろ相手にも都合があるんだろう」とか、「確かにこの件については自分のほうに非があった」というように、心の中で解決が付けばいいわけです。

 とすると、これもまあ当たり前のような気がしますが、たちが悪いのは時間的に長期間継続するストレス(刺激)ですね。

 これまでまとめてきたように、最初はセロトニンで対応し、次にノルアドレナリンで攻撃態勢を整えるわけですが、例えば年がら年中上司からガミガミ怒られたり嫌味を言われていたりすると、徐々にセロトニンでは対応できなくなり、ノルアドレナリンの対応も追いつかなくなる、という状態になるのだと思います。

 今回のこのストレスの話は、私の頭痛から始まっていますが、これまで感じた事のない頭痛の原因として考えられるのは、ストレスとしては大変軽い、遊びたいのに遊べないという感情の蓄積ではなかったかと思われます。

 三連休が続き、良い天気なのに、私の仕事の日程や息子の日程がうまくかみ合わず、どうしてもたった1泊の旅行が出来ない。その上私は早期退職した身なので、余計な出費は極力抑えなくてはいけない、という潜在的なプレッシャーも感じていたと思います。

 しかしこの程度はストレスとはいえないぐらいのストレスかもしれません。私が早期退職をするきっかけになったストレスは、連れの看護と他界への対応、当時の仕事の忙しさと上司の対応、慣れない家事の負担、自分自身の健康不安等が二重、三重に重なり、それが数年間の続いたことによるものです。

 その間に脳内刺激ホルモンが徐々に枯渇。それと共に仕事への情熱もなくなり、単なる義務感で日々の仕事をこなしていたように思います。しかしそのことに気が付いたのは、早期退職後の最近のことです。


2011年10月20日

 私の現在の仕事は高校の非常勤講師なのですが、ちょうど今の時期が中間考査となり、授業のまとめや考査問題の作成と言う仕事があり、昨日は更新が出来ませんでした。

 それにしても、最近教育界でも鬱になる先生が多いようで、私のようななりかけだった予備軍も含めると、相当な数になるのではないでしょうか。

 そもそもストレスとは、自分は本来こう思う、とか、こうしたい、と思っているのに、それが外的要因で出来ない。しかもそれが長期間続くということに特徴があるのだと思います。

 この「思うように出来ない」というストレスは、組織の中ではどうしても生まれざるを得ないものですが、普通は、「しょうがないから我慢しよう」とか「酒飲んで歌でも歌ってうさを晴らすか」とか、家族や同僚に「まったく、あいつは・・・・」と愚痴や不満をぶつけることによって、日常的には解消しているような気がします。

 またそれでも駄目なときは、私のような旅行好きは「よし旅に出よう」とか「釣りに行こう」とか思いますし、スポーツが好きな人は、思いっきり体を酷使して汗をかく、なんてことでストレスを発散するわけです。

 しかし昨日も書いたように、1週間や一ヶ月程度の期間のストレスならそれが通じますが、1年を越えて継続すると、もはや自分自身で解消するのは不可能だと思えてきます。

 つまり精神的にストレスに降参するわけで、それでもそのままストレスが続けば「うつ状態」になるということだと思います。

 それを避けるためにどうするのか?私の場合は昨日も書いたようにストレスから逃げる道を選びました。逃げるというと語弊があるかもしれません。そのこと(早期退職)を決断することにもかなり勇気が入りました。

 子供がいますから、子供への影響、実家の母親への影響、回り近所からの働かない親への視線、そして何よりも早期退職後の経済問題が気になっていました。

 しかし決断して2年が過ぎ、非常勤講師として働いて1年半が過ぎました。精神的にも一時期より穏やかになったなと感じます。そしてあの頃は鬱への入り口だったと冷静に判断することも出来るようになりました。

 環境を変えると言うのは、できる人と出来ない人とがいると思いますが、効果は大きいように思います。



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