大きなストレスはどこに影響を与えるのか

ストレスは視床下部に影響(2012.4.22)

 大きなストレスが何日にも渡って体に与えられると、体のいったいどこにどんな症状が現れるのか、と言うことについて調べています。

 ストレスというのは面白いもので、適度なストレスは適度な緊張感をもたらし、自分自身を高める方向に働きます。「よし、やるぞ」という元気の源であるともいえます。

 ところが「やろうとしても到底不可能に思える」のに「やらなければならない」となったとき、さらに「もう出来ません」という状況が生まれているのにそれを外部に訴えられなかったり、援助の手がまったく差し伸べられない状態が続いたとき、その矛盾は徐々に体のバランスをくずしていきます。

 ストレスがたまってきた状態というのは、「やらなければいけないことがあるのに出来そうもない」という刺激が永遠のループのように脳の中を駆けめぐることではないかと想像しているのですが、これに対して脳はなんとか解決策を見いだそうと努力するため、ストレスに立ち向かえるようにホルモンのバランスを調整するようです。

 この調整の役目を担っているのが脳の中心部にある視床下部という部分のようで、ちょうど眼球の後ろ、頭の中心部に位置するひじょうに小さな領域です。

 この小さな領域が交感神経系、副交感神経系、内分泌機能、体温調節、摂食行動、飲水行動、性行動、睡眠さらに怒りや不安などの情動行動も調整しているというのですから、ある意味生命の中枢と言って良いかもしれません。

 これらの機能は人間の進化の歴史の中で少しずつ育まれてきたのかもしれませんが、もともとは我々の先祖が一時的な生命の危機(闘いや自然災害、狩猟行動等)に遭遇したときに、体のバランスをそういった状況に一時的に変更する機能を持っていたと思われます。

 ところが狩猟等は一時的な高揚で終了しますが、現代のように「出来そうもないこと」を、次から次へと「押しつけられ」、「解決の糸口すら見えない」状況が何日も続いてしまうと、高揚した状態をひたすら維持しなければならず、それが体内のホルモンバランスを徐々に狂わせていく、と言うことなのかなと思えます。

 従って上記の視床下部が掌握している機能の「交感神経と副交感神経」のバランスが崩れれば「自律神経失調症」、内分泌機能のバランスが崩れれば、それに対応した病気の症状、体温調節がうまくいかなければ、酵素の働きが悪くない内臓障害、摂食行動に影響が出れば過飲、過食または摂食障害、さらに性行動や睡眠への影響が出てくることが予想できます。

 実際私が医師から「自律神経失調症」だね、というように言われたときの症状は、高血圧、アトピー悪化、不眠、悪夢、動悸、過飲といった症状に悩まされていましたので、相当なストレス下にあったんだなと、こういった症状からも推定できます。

 こうやって改めてみていくと、ストレスは怖いなと思えます。適度なストレスなら良いと思うのですが、過度のストレスは避けられるものなら避けたいなというのが本音です。

 基本的には無理をしない、と言うのが一番かなと思えますが、「無理をしないと達成できない」ことがいろいろとあるので、そう簡単な解決方法はなさそうです。



深呼吸と視床下部


ストレス


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