光って10秒なら10分で到着
落雷から身を守るために(2014.7.20)
蒸し暑い毎日が続いています。九州四国地方は梅雨明けになったというようなニュースが出ていました。私が住んでいる埼玉県では、ここ数日午前中はうす曇。
午後から雲が湧き出して、風が吹いてきたかなと思った頃、ポツリポツリと雨が落ちてきます。同時に雷鳴が聞こえてきたりしますが、私の専門は物理なので、この音が聞こえてくるとつい稲光からの音が聞こえるまでの時間をカウントしてしまいます。
だいたい音は1秒で340mぐらい進みますから、10秒で雷鳴が聞こえてくれば、雷雲までの距離はおよそ3.4kmぐらいだということが分かります。
一方台風等でスピードが遅いものは時速15km、早いもので時速30kmぐらいですから、これを秒速に直すと4mから8.3mということになります。
つまりだいたい雲というのは1秒間に5mぐらいずつ接近してくるということです。(まっすぐ近づいてくる場合ですが)。従って先ほどの3.4km移動するのに要する時間は3400÷5=680秒、すなわち約11分という計算になります。
つまり稲妻が光って雷鳴が聞こえるまで10秒だったら、その後11分でその雷雲が自分の頭上に来る可能性があるということです。
もちろんもっと移動速度がもっと速い場合もありますから、5分ぐらいを目安にして、その場からなんとか遮蔽物のある場所に逃げた方がよい、という結論になります。
ただし遮蔽物と言っても、ご存知のように高い木の下では、その木に雷が落ちる場合がありますので、理想的には屋根のある場所、ということになるのだと思います。
では自分がいる場所がゴルフ場やグラウンド、砂浜等の平坦な場所だったらどうするか?これは怖いです。雷は平坦な場所から飛び出している部分に落ちることが多いので、人が立っていればそれだけで危険です。
当然ながらゴルフ場でゴルフクラブを振り上げれば、そこめがけて雷が落ちてくる可能性はひじょうに大きいです。ビーチではテントの下なんてのが良さそうですが、テントの支柱は金属で、屋根の部分はとんがっているのでこれも危険。
この場合、海水浴シーズンなら、時計等の金属類を体から離して、砂浜に寝そべってしまうのが一番危険が少ないです。
私は一度湘南海岸で釣り船に乗っていたとき激しい雷雨に襲われたことがあり、このときは船のマストに落雷するのではないかと冷や冷やしながらキャビンに退避していました。
ちなみに避雷針というのが高い建物の屋上に立っていますが、あれは雷をあそこに落として、周りの被害を抑えるためのものですから、当然避雷針に落雷する可能性は大きいです。
また避雷針で吸収し切れなかった雷のエネルギーは周辺に飛び散りますので、下手をすると感電します。つまり避雷針があるからと言って、その近くでに避難するのも危険だということです。