高空に達した火山灰の影響は?

チリのカルプコ火山噴火の影響が心配です(2015.4.25)

 私の仕事は高校の非常勤講師ですが、かつて地学を教えていたこともあります。専門外の教科は、教える方も事前にある程度の勉強が必要で大変なのですが、地球の気象や天体については興味もあり、まあ何とかやり遂げました。

 生徒には時々授業の合間に、「地球儀で日本の裏側はどこ?」なんて質問をすることもあるのですが、ご存知でしょうか。日本の中心は北緯35度ぐらい、東経135度ぐらいだと思われるので、その裏側は南緯35度、西経45度になると思われます。

 経度はイギリスを基準にして、そこから東西の角度を考えているので、西経135度ではなく、180度ずれた場所は西経45度になります)

 というわけで、その場所を地図で確認すると南アメリカにあるウルグアイという国の沖合い1000kmぐらいの位置になります。つまり大西洋ということですが、授業では、もし日本からまっすぐ穴を掘れば、大西洋の海の水が流れ込んでくるという笑い話をします。

 (ただし万有引力があるので、日本に太平洋の海水が噴出することはなさそうです)

 それはそれとして、要するに地球の裏側のこのあたりについて、詳しい地理を知っている人は少ないし、あまり関心もないと思います。

 ところが先日、この近くのチリという国の南の方にあるカルブコ火山」が大爆発。数千人規模の避難者が出ています。またこの火山灰は1000km離れた首都のサンディアゴにも到達したそうです。

 これによってチリ経済はかなり大きな影響を受けると思いますが、もしかすると日本でも輸入サーモンの価格に影響が出るかなという気もします。

 しかし私はそんなことはそれほど心配していません。それより心配なのが火山灰。ニュースを聞いていると火山灰は上空15〜20kmまで達したと言われています。

 飛行機に乗る人は知っていると思いますが、通常のジェット旅客機が巡航速度で飛んでいる高さは上空10km前後ですから、航空機にも影響与えそうです。

 さらにこの付近には西から東に進むジェット気流があります。従って火山灰は大西洋を横断し、地図で見ると分かりますが、南アフリカに達し、さらにインド洋を横断するとオーストラリアに達します。
 
 その後はさらに広範囲に火山灰が拡散していくと思われますので、場合によっては南半球に太陽光の遮蔽効果をもたらすかもしれません。

 そうなってくると世界的な影響が避けられないわけで、健康被害も続出するのではないかと心配しています。すでにチリでは非常事態宣言が出されています。注目が必要です。





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