最後はやはり自分で勉強しないと

「ANK細胞療法」とネットの記事の信憑性(2015.2.17)

 数日前の新聞広告で「図解でわかるがん治療」「ANK免疫細胞療法」という書籍が紹介されていました。実際に内容を読んだわけではないので、この治療によってがんに効果があるのかどうかは分かりません。

 ただ説明文をさらっと読むといかにも効果がありそう、もしくは既存のがん治療では限界があると感じたとき、やってみてもいいのではと思わせるような紹介文が書かれています。

 一方、今日の毎日新聞朝刊。シリーズもので「がん社会はどこへ」という記事が掲載されていて、今日の見出しは「ネットの情報 どう見極める」という内容です。

 
 読んでみると最初に不安になる内容が書かれています。2007年の調査で肺がんの治療についてネットで検索したら、上位50サイトの内、信頼できない情報や、研究段階の治療を進めるようなサイトが半分以上だったということです。

 一方がん以外の病気では、そういった傾向は少ないようで、要するに「がん治療」に関することだけに、怪しい情報が氾濫しているという結論になったということです。

 さらに英語を使った検索では根拠のある有効治療のサイトが8割ぐらい紹介されるのに、日本語版では3割ぐらいに減ってしまうと書かれています。

 というわけで、信頼性に乏しい情報が、日本ではネット上に氾濫していると結論付けています。では何を持って信頼性を判断するのかということが問題です。

 ここで書かれているポイントは

 
・ 誰が書いているか
・ 情報源はどこか
・ いつの情報か
・ 運営主体はどこか

 ということだそうです。実際、私も「悪性リンパ腫との闘い」という個人サイトを運営していますが、こういった個人ブログの体験は、治療と症状の因果関係がはっきりしないと指摘されています。私自身のサイトも振り返ってみれば、そう言われたら反論できません。

 また残念ながらいわゆる悪徳クリニックと称される診療所も実際に多くあるようで、何百万もかけて特別な治療を行ったが、結果的にがんが悪化する例も多数あるようです。

 そういった視点で改めて冒頭の書籍の内容をみると、著者が「リンパ球バンク」という名称で実態が不明。解説書ですから「知りたい」という希望にはある程度答えられると思いますが、もし本格的に知りたいということなら、かなり医学の専門書を読まなければいけないはずで、私自身上記のサイトの内容を書くにあたって、かなりネットで医学分野のサイトを見て調べた思いがあります。

 
 というわけで、この先私自身もがんの症状を呈する可能性がないとはいえませんので、こういった最新情報の知識は必要だと思いますが、現に治療を受けている人が、無闇に実際の治療として手を出すのは問題だなと思っています。


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