酸素と栄養を効率よく細胞に届ける

血液の流れが健康と老化を左右する(2012.11.26)

 細胞の中には、設計、施工を計画する文書が核の中に含まれ、その外側にある様々な小さな工場で、細胞外から取り入れた栄養分を分解し、さらにそれを自分の都合の良い形に合成し直しています。ただしそれにはエネルギーが必要なので、そのエネルギー生産工場としてミトコンドリアが活躍しています。

 この核と細胞内小器官、ミトコンドリアの協調によって、細胞分裂がつつがなく行われ、我々は日々人間としての命を維持できるわけです。

 極端なことを言えば、呼吸はミトコンドリアのために行い、食事は各細胞が持っている小器官のために行っているに過ぎないと言うことになります。

 この呼吸、食事と細胞を連絡しているのが血管です。またこの血管の中を血液がきちんと流れるようにし向けているのが心臓です。生物を勉強していると、この辺りの各器官の役割分担が明確に見えて実に面白いなと思います。

 口や鼻で酸素と栄養素を取りこみ、肺や内臓でそれらを血液中に溶かし込み、もし余ったら肝臓に蓄え、最終的には体のすべての細胞に酸素と栄養を運搬し、そこで得られたエネルギーを活用して、細胞分裂を行ったり、思考したり、筋肉を動かしたりしているわけです。

 というわけで、体の内部の諸器官はすべて重要なものであると言えますが、その中で生命に直接関わるものが血管になります。この血管で酸素や栄養物をうまく運搬できるか、そして二酸化炭素や老廃物をうまく排出できるかということが、当たり前ですが生命維持の根幹だなと思えます。

 従って、個人的な考えですが、如何に血液がうまく流れるか、ということが健康を考えるポイントだなと思うようになってきました。

 そう考えると、健康のポイントは二つですね。

@ 血管という管の柔軟性や太さ
A 中を流れる血液の粘度や成分

ということで、これを改善するもっとも良い方法が運動と食事であるという結論に行きつくわけです。

 特に運動は酸素の取り込み能力を高め(有酸素運動)、筋肉を柔軟にして、心臓の働きで血液をよく循環させ、またエネルギーを消費することによって代謝活動も活発になりますから、細胞が軽快に代謝活動を行うと言うことになります。

 しかしひたすら食べて運動をしなければ、酸素の取り込み力が弱まり、ミトコンドリアが衰弱しエネルギーを産み出す力が弱くなります。一方で血液中の養分は過剰になり、血液全体の粘度が増してドロドロした状態になります。

 そうなると私も反省しなければいけませんが、動脈硬化であるとか血栓であるとか、そこまでいかなくても血管内が狭くなり高血圧になったりするわけです。

 体のメカニズムが分かってくると血液の流れが如何に重要かがよく分かります。そしてその流れをスムースにするためには運動が一番だと言うことが理解できるはずです。



動脈硬化指数


老化関連


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