脳、温点、発汗機能の衰えが原因

高齢者が熱中症になりやすい理由(2013.8.14)


 相変わらずの猛暑です。深夜に関東地方のどこかで雨が降っているせいか、朝方は何とか寝られる気温まで下がりますが、太陽が出始めるとすぐにぐんぐん上昇。午前中には軽く30度越え。

 テレビでは毎日のように高齢者が亡くなられたというニュースをやっています。原因は熱中症ということですが、中にはエアコンがあるのに使った形跡がない、という不思議なニュースもあります。

 テレビでは暑いときはこまめに水分を取り、エアコンの有効利用をと叫んでいますが、なぜエアコンを使わないのか?

 一つには電気代の高騰。原発が使えず、アベノミクスによる円安、さらには中東情勢の悪化により、原油価格が高騰。その結果電気料金を上げざるを得ないということでしょうか?

 二つ目は、節約を美徳とする方は、なるべく電気製品を使わないようにと努力します。特に昔のエアコンは電気代がかかるというのが常識でしたから、そのことを信じてなるべく使わないように意識しているお年よりも多いのだと思います。

 そして三つ目。今日のテーマです。高齢者は気温の変化に鈍感で、暑いということを意識しないうちに脱水症状や体調悪化を経験してしまうのではないかということです。ではなぜ鈍感になってしまうのか?原因が分かれば対処のしようがあるかもしれません。

@ 水不足を警告する脳の機能の衰え

 体の中に水が不足していれば、普通の人はのどの渇きを意識しますが、高齢者はそれを意識できず、知らず知らずのうちに脱水症状になります。従って、こまめにではなく、意識的に常に少しずつ水分を補給し続けるということが大事だと思います。

A 温点の機能の衰え

 皮膚の表面には熱さを感知する温点という点が点在していますが、この機能が衰えるため、皮膚の表面温度が上昇していても気がつかないことがあります。

 つまり暑いのに暑いと感じない。だからエアコンを使用しない。しかし実際には体のほうは暑さでまいっていて、やがて体調不良となり、さらに症状が悪化すると意識が混濁してしまうということだと思います。

 従って、温度計等を見て、室温が30度を越したらエアコン使用とか、一定のルールを作って外部環境を整えるのがよいかもしれません。その意味ではセンサーつきエアコンを使って、自動的に温度調節をするほうがいいのかもしれません。 

B 発汗機能の衰え

 汗腺の働きが弱くなるので、体内の熱を逃がしにくくなります。従って体温が上昇し、自律神経が影響を受け、夏バテといった症状を示すようになります。

 これを防止するには普段からの運動しかないように思います。いきなり暑い中で運動したらそれこそ熱中症で倒れてしまいます。

 というわけで、以上三つの観点から意識的にこまめに水を飲み、積極的にエアコンを利用することが大事だということがよく分かります。


あやうく熱中症に


夏ばて、熱中症


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