個人の意識が感染率を左右

2020.4.18

 昨晩の安倍総理の記者会見を視聴しました。内容は詰まるところ、緊急事態宣言を出した理由と外出自粛要請についての説明だったと理解しました。

 ひじょうに忙しい中で、日本全体の動きを左右する会見をするわけですから、その圧力や心労は察するにあまりあると思え、あまり些末な批判は控えるべきだと思っています。

 ただ内容はともかく、話の内容が分かりにくいなという印象は拭えません。どうしてなんだろう?と考えるのですが、ある方針を示すための論拠が希薄で、なんか情緒的な話が多い。

 私が理系だからかもしれませんが、他人を説得するためには、こういったブログでもそうですが、扱う数値の根拠を明確にして、そこから表やグラフを使って説明すると分かりやすい。

 私自身が過去に教員という職種だったこともあり、分かりやすい説明という事にかなり神経を使いました。安倍首相の説明は、随所に「専門家の話を聞いて」という語句も挟まれるようになりましたが、どういう専門家集団なのかという事は一切不明です。

 さらに人との接触を7割減らすとどんな結果が予想されるのか、6割や8割だったらどうなのか?という事も、いろいろ異論はあると思いますが、専門家たちはグラフ等で解析しているはず。

 そういったグラフを示してくれれば多少分かりやすくなったのではという気もします。話を聞いていると、大学の老教授が脈絡のないことを、自分本位の視点で延々と呟いているだけの講義に見えてしまいます。

 中学生ぐらいの子供たちにも分かるというような説明をしてもらえれば、多くの高齢者も理解できるのではという気がします。

 さて現時点の日本の感染者数ですが、ヤフーのページでは 9167名となっています。しかし私が参考にしているJohnsHopkins大学の数値は、昨日が9231名、今日が9787名となっています。

 昨日も書きましたが、増加率は1.06倍です。昨日が1.061倍だったので、本当に僅かですが低下。明日の数値に期待です。

 ちなみに封じ込めに成功しつつある韓国と日本を比較すると違いは明白。韓国は一時期宗教団体の集会で感染が急拡大しましたが、徹底的な検査の徹底で拡大を封じ込めつつあると理解しています。

韓国と日本の累計感染者数

 韓国の人口は日本の半分程度みたいですが、そのことを考慮しても日本のグラフは厳しいなという印象しかありません。

 感染者拡大の状況を見ていると、最初は海外に旅行をした人、若しくは海外からの観光客によってウイルスがもたらされ、それが周囲に拡散。

 当初は誰も警戒してませんから、いよいよい始まったかと思うわけですが、感染者数の母数が小さいために、医療体制も問題なし。

 ところがちょっと気を緩めた瞬間に、集団での感染が始まります。「これはまずいぞ」と思ってマスク着用率も上昇しますが、「どうせ俺には関係ない」と思って出歩く人も多い。

 その結果徐々に地域的に感染が広がり、国や地方自治体が動き始める。しかしどうしても初動は遅れるはずで、その間に不用意に3密状態になった人に感染が拡大。

 というわけで、外出自粛、営業自粛といった様々な要請が出され、ようやく多くの人が、「これはもしかしたら大変なことかも」と思い始める。

 というのが現状かなと思っています。ただそうはいっても、どんなに注意しても感染してしまう人がいるのがこのウイルスの怖いところで、どうやら無症状感染者の存在も分かってきました。

 てなわけで毎日感染者数が拡大しているわけですが、要するに仮にすべての人が2週間家に籠ることができれば、感染者数の増加が止まるという事になるわけで、あとはその状態にどのくらい近づけることができるかという個々人の問題だなと思っています。



対策の早さが結果を左右


新型コロナ


表紙に戻る