経済か人の命か

2020.8.2

 今日発表された日本の新型コロナ累計感染者数は37926名で、昨日より1539名の増加。昨日の記事で 、明日の増加数は800名程度に減少するかもと書きましたが、これは見事にはずれ。

 しかし逆に考えると、想像以上に感染拡大のスピードが速いとも言えそうで、かなりショックを受けました。世界全体の数字を見ると、日本は感染者数が急増しているので、現在第51位。日々順位を上げています。

 このペースで増えれば、火曜日には4万名を越えそう。まあ累計ですから、すでに回復された方もいるわけで、その数字と残念ながら亡くなられた方の数字1012名を引き算すると、現在治療中の感染者数10935名が得られます。

 この数字のグラフが上記リンク先に掲載されていますが、この数字も第1次感染拡大時期のピーク値、4/26の9577名を、昨日から越えています。

 つまり4月頃、このままでは医療が崩壊すると叫ばれていた時期です。その様子を見て、国は4/16に全国対象に緊急事態宣言を出し、さらに8/4に宣言の延長を決めています。

 しかし今回は、感染者には若者が多く、重症者は少ないので、緊急事態等の宣言を出す状況ではないと判断しているみたい。

 私には無理やり理屈をつけて、事態を甘く見ているとしか思えないのですが、確かに数字上からは重症者や亡くなる方は以前に比べて少ないことは分かります。

 しかし現在療養中の方が、前回と同じ数字という事は、全国で軽症者や無症状者が療養するためのホテルの部屋数や病院のベッド数は、かなり厳しい状態になっているのではと思われます。

 必然的に自宅療養を選択する人も増えるはずで、そうなると家庭内感染が増えるという事になりそうですが、最近家庭内感染数が増えているというニュースも多くなっている気がします。

 こうなってくると、国がとっている政策は、経済を回すためには、感染者や病院関係者が多少犠牲になってもやむを得ないと考えているように見えてしまいます。

 確かに国全体の国力維持という側面だけを見れば、多少の犠牲はやむを得ないと考える人がいてもおかしくない。しかしその多少の犠牲の対象になってしまった人の中には、国の政策で犠牲になったと受け止める人が出てきてもおかしくない。
 
 突き詰めていくと、経済と医療の二者択一ではなく、国の体制維持と個人の命かという二者択一になるような気もします。
 
 仮に私自身が国の経済を預かる身分だとしてどう考えるか?逆に感染してしまった患者の一人だったらどう考えるか?さらに両者を両立させるためにはどうしたらよいのか、ということを一人一人が考えないといけない段階に来ているように思えます。



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