対策の理論的背景

2021.1.3

 明日から仕事が始まる人も多いはず。朝はかなり冷え込むようになりましたが、天気は良いので空を見上げれば気分は爽快?しかし寒くて背をかがめて歩けば空を見上げる余裕もない?

 加えて年末からの新規感染者数の数字を見ると、悲惨な年明けだなと感じます。とはいえこういったことを暖かい部屋の中でのんびり考えながら書いていられる今の私の生活環境は恵まれていると考えて良さそうです。

 昨日都知事や周辺3県の知事が集まって、国に緊急事態宣言の要請を行ったようですが、国は及び腰みたい。昨年から常に感じていることですが、国と各知事の考え方に多少ずれがあるように見えます。
 
 それがいったい何なのか?ということが私のような庶民には良く見えません。相応共に感染者を減らすという目的では一致していると思うのですが、その手段が一致しないみたい。

 そのためにいつまで経っても「こうして欲しい」という明確な要請を出せずに、ズルズルと対策が先延ばしになっている印象があります。

 一方、そういった甘い要請?を意識して、相変わらず出歩く人が多いみたい。正月の人出は減ったとマスコミは騒いでいますが、テレビのニュースの画像を見ると、私には減ったと言ってもたかが知れていると感じられます。

 ましてや応援自粛と言われていたはずの箱根駅伝で、沿道から声援を送っている人たちの姿をニュースで見ると、やっぱり決定的に危機意識が欠如しているなあという印象です。
 
 実際菅総理や西村大臣の挙動を見ていると、冷静に対処しようとしているのか、なんか危機感がなさそうに見えてしまいます。

 ドイツのメルケル首相が年末にこぶしを振り上げて感染防止を訴えたニュースもありましたが、さすが科学者で危機を意識しているなと感じました。
 
 菅首相に感情的になれなんて言うつもりは毛頭ありませんが、「今の状態ではだめだ」という危機意識が伝わってこないことは間違いなさそう。
 
 ある意味演技力の問題もありそうですが、なんか本気で歯止めをかけようという気概があまり感じられません。

 さて前回の記事の続きですが、国立感染研究所という機関が「個人における対応」という文書を公表していました。インフルエンザ関連の内容みたいですが、その中に「飛まつ感染を防ぐ」という部分があります。
 
 注目したのはくしゃみや咳に含まれているウイルスの数。くしゃみ1回約200万個、咳1回約10万個と書かれています。今仮に一人の感染者がどこかで盛大なクシャミをすると、周辺に200万個のウイルスが飛び散るということになるということでかなり衝撃的。

 実際には空間の広がりによって、飛散したウイルスは距離の3乗に比例して減っていくのだと思います。つまり口から飛び出た飛沫が直径10cmの塊だったとすれば、1m離れれば、距離は10倍になるので密度は1000分の1ということになりそう。

 しかし元のウイルスの数が200万個あれば、1000分の1と言っても自分が呼吸する1000cm3の空気の中には2000個のウイルスが存在するということなのかも。

 2mになれば、20の3乗で8000分の1。つまりウイルス量は250個。かなり少ない。早い話がやはり距離が大事ということ。感染者の人数やくしゃみや咳の数が増えると、さらに感染確率は増えるはず。
 
 箱根駅伝観戦者の人たちは、「屋外だから」という安心感も持っているのだとは思いますが、屋外でもウイルス保有者との距離が近ければ、呼気にもウイルスが含まれるはずなので、感染確率はゼロではないはず。

 こういったことをきちんと説明してくれないと、単に3密はダメだ、マスク、手洗いをしましょう、営業時間を短縮しましょうという要請だけでは限界があるだろうなと思っています。
 



ようやく緊急事態宣言


新型コロナ(2)


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