減少の気配は全くなし

2021.8.1

 普通の週だと、土曜日に発表される新規感染者数は、その週のピーク値に比べて少し減るはずなのですが、昨日夕方に発表された東京の新規感染者数は4058名と、これまでの数字で最大となりました。

 また全国の新規感染者数も12338名と過去最大です。まさにどこまで拡大するか全く不明の混沌とした状態がやってきた感じです。

 東京都も全国も、その新規感染者数のグラフを見ると、ともかく上昇の勢いが激しい。前回の記事で、来週のピークは東京都で5500名前後、日本全国で15000名前後になりそうと書きましたが、その数字は楽観的予想だったような気もします。

 原因ですが、感染力が高いと専門家が指摘していた変異株が感染を広げていたにもかかわらず、感染力は従来の株の2倍弱程度という数字に踊らされて、「たいしたことない」と判断した人が多かったのかも。

 一方で、23日にオリンピック開会式を迎えるという、ちょっと浮かれた気分が蔓延し、テレビでは相変わらず路線バスの旅とか、この店のこれがうまい、なんていう情報番組が流されていますから、緊急事態宣言が出されても、それを真剣にとらえる人が少なかったのかもしれません。

 つまり世の中全体が、夏休みを迎えるにあたり浮かれた気分になってしまった結果だというように感じます。その責任の一端はオリンピックの開催にあると私は思っているのですが、選手にとっては自らの練習成果を世界に知らしめる恰好の場であることは間違いない。

 選手の立場に立てば、開催歓迎となりそうな気もします。つまりそれぞれの人の立場によって、評価は変わるということになりそうです。

 しかし事態は切迫してきたなという印象を強く持っています。これらの新規感染者数の数値を見て、「これは確かにまずい事態だ」と考える人が多ければ、宣言の有無にかかわらず、来週の人出は減るような気もしますが、家庭内に持ち込まれたウイルスから感染してしまう人は多いはず。
 
 ということは、人出が減ってもそう簡単に新規感染者数は減らないということも考えられます。それを見て、すでにワクチンを2回接種した人は多少安心しているのかもしれませんが、先日の毎日新聞には、ワクチンの有効期間についての記事もありました。

 それによれば、ワクチンの有効率は1回目の接種日から10日後までは18.2%、11日〜2回目の接種まで91.7%、2回目の接種の1週間後から2か月後までは96.2%、2回目の接種から2か月〜4か月後は83.7%と徐々に下がることが書かれています。
 
 早期に接種を開始したイスラエルでは、8月から3回目のワクチン接種を開始するみたいで、上記有効率を考慮しているものと思われます。

 ということは、日本でも4月あたりに医療従事者に対するワクチン接種が始まっていますので、秋以降には有効性が下がり、ワクチンを接種後したにもかかわらず、再び感染してしまう人が出てくるのかもしれません。

 そういった状況と現在の感染状況を考えると、果たして今年いっぱいで終息するのかと不安になります。



中等症患者は自宅療養


新型コロナ(2)


表紙に戻る