心臓の収縮時が高いほうの血圧

高いほうの血圧が意味するもの(2015.11.24)

 血管というのは、心臓を出るときは直径が数cmありますが、それが末端の組織に近づくにつれ細く枝分かれをして、最終的には赤血球が通り抜けることができるぎりぎりの太さになり、そこから再び心臓に戻ってきます。

 戻るときは行きと逆に血管は徐々に太くなっていきます。戻りは川の流れに似ているのかなと思えます。山の斜面から出た湧水が徐々に徐々に集まり小川となり、少しずつその流れを大きくして、せせらぎとなり、さらに渓流から通常の細い川となって、最後に大河となるというイメージでしょうか。

 そういった血管の構造を思い浮かべながら、今度は心臓に話を戻すと、川なら山の上から流れるだけですが、心臓の場合は、人体の各部に強制的に血液を送り出す働きをしているわけで、つくづくすごい臓器だと思います。

 さてその心臓から送り出す血液ですが、灯油ポンプを例にして先日説明したように、要するに心臓自体が収縮して血液を送り出してます。

 ということは、収縮と弛緩という二つの動作があるわけで、当然収縮した瞬間に激しい勢いで心臓から血液が流れだしますから、血管の内壁に加わる圧力が大きくなります。

 つまりガツンと収縮した血管に大きな圧力が加わるわけで、これが血圧の高い値といして血圧計に表示されます。

 この高いほうの実際の値は、非常に厳しい高血圧患者さんは190mmHg以上でしょうから、1気圧が760mmHgなので、だいたい0.25気圧になります。

 一方いわゆる低血圧と言われているような人の高いほうの血圧は100mmHg前後だと思われるので、その圧力は高血圧患者さんの半分程度ということになります。

 私は高血圧患者で、夏の暑い時で上の血圧が100ぐらいに下がることもありますが、寒くなってくると140〜150になることが多いです。(なぜ寒くなると上がるのか、ということもいずれまとめる必要があるなと思っています)

 さらに冬場に水分補給が十分でなかったり、食べ物がしょっぱかったり、運動不足だったりすると、一時的に170とか180に上がることもあります。

 そういった圧力の変化に、体内のすべての血管が耐えているわけですから、これもまたすごいなと思います。

 ちなみに最初に書いたように、血管は心臓から離れるにしたがって徐々に細くなるので、その圧力は少しずつ減っていくはずです。

 ということは測定する場所によって血圧の値は異なるということです。一般的には腕のひじの内側の部分で測定しますが、例えば脈が感じられる頸動脈のあたりはどうなんだろうとか、最近は手首で測定する血圧計も市販されていますので、ひじの内側で測定した場合との違いをどうやって補正しているんだろうと、ちょっと気にしています。

 いずれにしても、要は心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出した瞬間に最も血圧が高くなるということで、この瞬間的な血圧の上昇に血管が耐えられなければ、血管に穴が開いたり、血管の内壁が破損するということにになります。 



血圧計の原理と低血圧


高血圧の基礎


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