・ 細胞の大きさ:仮に0.01〜0.14(mm)=10〜140(μm)
最大の細胞は卵細胞です
(μm)はマイクロメートルまたはミクロンと読み、1(μm)は10-6(m)に相当します
・ 水分子の水素と酸素間の距離:0.0000001(mm)=0.0001(μm)=0.1(nm)
(nm)はナノメートルと読み、1(nm)は10-9(m)に相当します
・ 細胞膜の厚さ:10(nm)
こうやって自分で数字を書いていても、どうも実感がわきません。何だか大きさの比較が分かりにくいなと感じます。
そこでしつこいのですが私自身の頭の中を整理したいと思い、すべてを(nm)単位で書き直します。
細胞は一番小さいサイズを考えると、10(μm)=10000(nm)
細胞膜の厚さは10(nm)
水分子の酸素と水素までの距離が0.1(nm)
これを目で見えるぐらいに拡大するために、水分子の酸素と水素までの距離を1(mm)にすると(10倍して単位をmmにするだけです)
細胞膜の厚さは100(mm)=10(cm)。
細胞の大きさは100000(mm)=10000(cm)=100(m)となります。
そこで学校のグラウンドに直径100(m)の大きな円を、陸上競技等で使われる白いラインで書きます。するとこれが細胞膜の厚さになります。
もしその周りに水分子が集まっているとすれば、それは直径数mmの砂粒に相当します。水分子ではなく、何らかの栄養素であった場合、その大きさはもう少し大きくなり、5(mm)程度と考えても良いかもしれません。
そこで、次に細胞膜の厚さと水分子やその他の栄養素の大きさや構造を考えますが、これは要するに厚さ10(cm)の板があって、その近くに直径数mmのごみのような分子が近づいてくるというイメージになります。
ではこの細胞膜の構造はどうなっているのか?。厚い金属の板のような構造では、そこを様々な分子が通り抜けるわけにはいきません。
通り抜けるためには、多少の空間があったり、パイプがあったりするはずです。
私が持っている高校生物の資料集には細胞膜の構造の図も出ていますが、それをそのまま掲載すると著作権の問題が出てきそうなので困っています。
ただ細胞膜の基本的な構造は丸い頭があって、その下に2本の足が出ている、てるてる坊主のような格好をしているようで、これをリン脂質と呼んでいます。
この物質は基本的に水素:H、炭素:C、リン:P、酸素:O、窒素:Nから出来ています。
また頭の丸い部分にリン、酸素、窒素等が含まれています。足に見える部分は炭素と酸素と水素が繋がっています。
この構造の特徴ですが、頭の部分は親水性、足の部分は疎水性と書かれています。
親水性とは水分子と相性がよく、疎水性とは相性がよくないという意味で、要するに水分子が近づいてきたとき喜んで受け入れるか、反発して遠ざけるかの違いです。
実際の細胞膜はこのリン脂質が水平方向に並んでいきます。つまり人間の大群衆が集まっているようなもので、それが細胞膜の片面です。
面白いのは、このリン脂質の足の部分に、まったく対称的に同じリン脂質が並んでいることです。
つまり細胞膜の断面を見ると、互いの足を接して、両側に頭があるような状態で、まるで昔の修学旅行生の旅館の部屋みたいな感じになります。
しかしこういった説明を文章で書いても分かりにくいですね。ヤフーの画像検索を利用すると、一目で言いたいことが分かると思います。「細胞膜の構造 画像」で検索したページをリンクさせておきます。
ちなみに細胞の内外は、基本的に水で満たされていますから、頭の部分が親水性になっていることで、水との密着度が高まるのだと思います。
また人間が並んでいる状態をイメージすればよいと思うのですが、隣の人との間には隙間が出来ます。この隙間は酸素や二酸化炭素といった小さな分子を通すことが出来ます。
また水分子も、赤血球等を水に浸すと破裂しますから(溶血と言います)ある程度の透過性はあるものと思われます。(赤血球も細胞ですから、細胞膜で出来ています)
但しこの場合水分子が通過するのは、細胞膜のあちこちにあるたんぱく質のパイプになるようです。
また、いわゆる栄養素と呼ばれる分子量の大きな物質は、隙間が狭いので細胞膜を通り抜けにくいということになります。
そこで細胞はそういった様々な物質を細胞内に取り込んだり、細胞の中から排出したりするため、細胞膜の中に特殊なパイプ構造を持つことになります。