喘息からアトピーへ
3歳ぐらいに発症した喘息は、3〜5歳前後の発作が一番激しく、またこの時代は医療側の喘息治療も手探りだったため、より苦しい思いをしました。
この頃は喘息といってもクラスに一人いるかいないかで、今のように多くはありませんでした。また今でもそうですが、発作は夜間激しくなることが多いので、昼間は問題ないように見え、学校も何かずる休みをしているような気分だったことを覚えています。
なぜ夜発作が激しくなるのかというと、夜は交感神経系よりも副交感神経系が優位になるからだと聞いています。眠るために静かな呼吸をするからかもしれません。
というわけで、喘息については、私にとって画期的な治療はメジヘラという吸入器の出現であり、あとは自身の体力だったようです。
その後高校にはいるとメジヘラはストメリンという吸入器に代わり、現在はサルタノールという吸入薬剤を職場にも持ち込んでいます。ただし使用頻度はぐ〜んと落ちて、年間に数回使用するかしないかです。
ちょっと戻って、中学時代に父親の仕事の都合で東京から仙台に引っ越してからは、身長150cmぐらいで体重は40kgあるかないかのヒョロヒョろだった体に徐々に肉が付き初め、体重は40数kgに増えました。
学校の体育も調子の良いときは球技に参加が可能になり、短距離走などで目一杯走ることが出来るようになりました。
小学校での体育の成績はほとんどが見学だったため、今で言う「1」でしたが、中学では「2」に上がりました。時折私の病状に理解を示す先生もいて、そのときは「3」をつけてくれました。もちろん5段階評価です。
さて、その後中学に入って喘息が軽快するにつれ、それに取って代わったのがアトピー性皮膚炎です。しかし当初は単なるアセモだと思っていました。肘の内側が妙に赤くなり、汗をかくと異様にかゆくなります。
やがてかゆい範囲は徐々に広がっていきます。手から足、首というように、汗をかきやすく、それでいてその汗が蒸発しにくい場所でかゆさがつのります。
さて、そもそもアトピーとは何かというと、「奇妙なこと」「異常」をあらわすギリシャ語なんだそうです。つまり普通なら現れない症状が出現すると言うことです。
で、一般的に「私はアトピーです」という言い方をすると、これは「私はアトピー性皮膚炎なので、皮膚が過敏な反応を示します」という言う意味合いになります。
私は生まれてからすぐに湿疹が顔に広がり、そうとう痒がっていたと母親が言っていましたが、この湿疹ももしかしたらアトピーではなかったかと思っています。
その後この症状は喘息に変わりますが、喘息が軽くなるころからアトピーの症状が現れてきましたので、要するに交替交替で交互に現れるのではと疑っています。
原因ですが、Wikipediaには「遺伝子レベルでのバリア機能の欠陥」という考え方が示されていて、その一般的兆候として皮膚角質層のセラミドという脂質が少ないと言うことが報告されています。
セラミドが少ないとどうなるかというと、細胞同士を接着することが難しくなり、角質がはがれやすく薄くなり、そのため外部からの刺激に敏感になる、ということのようです。
要するに、脂質が少ないためかさかさの乾燥肌になり、そのため角質がはがれ落ちて皮膚が薄くなったため、外部からの刺激に反応しやすくなった状態、といえそうです。
実際私の皮膚は、特に冬場はかさかさしています。ただしかさかさしているだけではアトピーにはなりません。その上で免疫系の過剰反応が起きると言うことがアトピーの実態のようです。
というわけで、喘息同様、アトピーも最近は分子や遺伝子レベルでの解明が進んでいるようです。しかしだからといって、すぐになんらかの治療で治るかというと、そうでもありません。次回以降その辺の話しをまとめていきます。