アトピーと食べ物の関係

 「アトピー」の影響を軽くするために、先ず、昔の食事と今の食事はどこが違うんだろうと考えました。最初に思い浮かんだのは、「肉食」です。

 私は小学1年の時、半年ほど石川県の田舎で生活して、その頃ずいぶん喘息の症状が軽くなりました。それは水や空気の影響も大きいと思いますが、もしかしたら食事の効果もあったのかもしれません。

 というのも、この田舎は本当にど田舎で、周りを山に囲まれ、小さな川が流れ、その周辺に出来たわずかな平地で農業を行うような場所だったため、食事のおかずはほとんど野菜だったからです。

 動物タンパクと言われて思い出すのは、卵とバターぐらいです。魚の記憶はほとんどありません。米はもちろん新鮮な米が豊富にありました。

 キラキラ光っている米粒に、平飼いをしているかと思われるような新鮮な鶏の卵をかけて食べた記憶がありますが、今ではあのようなおいしい卵かけご飯を食べることは出来なくなってしまいました。

 そしてそれ以外は畑で採れた野菜がおかずの主流でした。偏食気味だった私の食生活もかなり改善されました。

 昔の日本人の食生活は、まさにこのような米と野菜を中心にして、山の中では鶏やブタ、海辺では魚というのが動物性タンパクの基本だったのかなと考えました。

 しかし都会には食べ物が溢れ、子供はどうしても肉を欲しがります。折角身に付いた野菜中心の食生活も都会に戻れば、欧米社会のような肉中心の食事に変わっていきます。

 そう思った私は、先ずはなるべく肉を減らすことを考えるようになりました。もちろん肉を食べないというのではなく、あくまで出来る範囲で減らすという意味です。20代の頃です。

 肉を減らして何を食べるかと言うことですが、理想的には野菜だと思います。しかしとても野菜だけではもの足りません。とすると次の候補は魚です。

 寿司はもともと好物ですから問題ありませんが、そんなに毎日刺身のようなものばかり食べてはいられません。焼き魚や煮魚もバランス上必要です。

 さらに豆腐や納豆、サラダ等も増やしました。そのような意識改革をして数年。しかしアトピーはあまり良くなる兆しは見えませんでした。

 むしろ職場でのストレスが増えたせいか、悪化したようにも思えます。どうしてだろう。原因は何だろう。再び本を読んだりしていろいろ考えた結果、一つ気がつきました。

 それはアルコールです。もともとアルコールは嫌いではなく、学生時代から折に触れてビールやウイスキーを飲んでいましたが、仕事を始めてからはストレスの影響もあり、いつのまにか毎日飲む習慣が付いてしまいました。

 アルコールを飲むと、血管が拡張しリラックスできるのはいいのですが、その分皮膚も火照り気味になり、なんとなく痒さが増すような感じです。

 ならばアルコールを控えればいいような気もしますが、職場でのストレスはひじょうにきつく、まさに飲まずにいられない、というような状態が続きます。

 つまりストレスが直接の原因ではなく、ストレスによる暴飲暴食がアトピーをさらに悪化させたのではないかと今は考えています。

 しかし、ストレスがたまる → 暴飲暴食 → アトピー悪化で痒みが増す → 夜中に痒くて目が覚め寝不足 → さらにストレスがたまる → 暴飲暴食 という悪循環はかなり辛く、特に痒くて夜眠れないというの、それだけで相当なストレスになりました。



アトピーとアルコール


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