養殖ハマチの怖さを知りました

 私は釣りが好きなので、よく沖釣りに行きます。場所については、ここでは差し障りがあるかもしれませんので書きません。時間的には30年ぐらい前の話しですから、今はすでに解決済みかもしれません。

 さて30年ほど前、私は月に1〜2回沖釣りをしていました。年間を通してアジを狙いますが、夏場はイナダ(ブリの子供)も狙います。

 ちなみに関東と関西では呼び方が違いますが、養殖ハマチもブリの子供で、関東では天然物をワカシやイナダ、養殖物をハマチと呼んで区別しています。

 ある夏の日、ちょうど大きな台風が通過して、海はかなり荒れました。その後の釣りです。なかなか釣れない状況に業を煮やした船頭さんが、特別な場所だと言って、ある場所に船を近づけました。

 特別な場所と言われても、我々釣り人は何のことやら分かりません。広い海のことですから、位置もよく把握できません。

 しかし釣り始めるとこれがすぐに当たりが出始め、お客さんは大喜び。私も当然その一人でした。ところが何尾か釣ったあとに背骨が曲がったイナダが釣れてきました。当然体自体も曲がっていて、何とも気味の悪い思いをしました。

 他のお客さんにも同じような魚が釣れ、皆さん一様に不思議そうな顔をして船頭さんを見上げました。

 船頭さんは、そんな我々の様子を見て一言、「この前の台風でハマチを養殖していた網が切れて、大量の養殖ハマチ(イナダ)が逃げ出したんだよ」と教えてくれました。

 「なんだ、そうかあ。それでこんなに釣れるのか」と納得しましたが、「じゃこの背骨の曲がったイナダも養殖なんだ」ということに気がつき、一瞬ぞっとした後、なんかそれ以上釣る元気がなくなってしまいました。

 どうやら高タンパクの餌を与えられると一部のイナダの背骨が変形するようですが、自然界でも同様なことが起きているのかどうかは分かりません。

 ただその変形したイナダの姿が頭にちらつき、以後養殖イナダ(ハマチ)という物はほとんど食べていません。今はどうなのでしょうか?気になるところです。

 というわけで、野菜を自家製にして、魚は養殖ものを避け、肉は新鮮な国産品というように意識が変わっていきました。

 しかし主食の米については、農薬がどのくらい散布されているのかよく分からず、パンについてもどのような添加物が加わっているのかは分かりません。

 一方これだけ食べ物に注意したにも拘わらず、アトピーはあまり良くなりませんでした。

 これまで何十年とため込んだアトピーの原因物質は、いくら食事を改善してもそんなに簡単に排出されるわけではない、新たに加わる成分が少し減ったに過ぎない
、というようなことが本に書かれていて、なるほどもっともだと思わされました。

 20年付き合ってきたアトピーを数年で治そうというのは無理なのかなとも思えましたが、さらに原因物質をため込むことだけはなるべく避けようと思うようになりました。

 一方でアルコールの例からも分かったように、特定の食品を食べるとすぐに皮膚が痒くなるような経験もしていましたので、いったいどんな食品を食べると痒くなるのか、ちょっと大変だけどデータとして見てみようと思いつきました。

 どうしたのかというと、毎回の食事の内容を主食、副食、飲み物、アルコールというような分類で、一覧表を作ってみました。当時の一覧表ソフトは「lotus123」というものです。懐かしい響きを感じます。

 ところがこれが結構大変です。不思議なことに食事なんて言う物は、食べてすぐ記録しておかないと三日も経てばその内容をほとんど忘れています。朝食べたものすら思い出せないこともありました。

 また食べた後のどの時点で症状が出るのか、またその症状を客観的に記述するにはどうしたらよいか悩みました。しかしあまり厳密にやっても続かないだろうと考え、とりあえず傾向だけでも分かればいいだろうと考え、長期継続を目指しました。

 結局数年続いたと思います。その一覧表を印刷して全体像を眺めていくと、なんとなく傾向がつかめてきました。それは次回書きます。



食事一覧表


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