食事一覧表を眺めて

 さて食べたもの一覧表と、その時々に感じた痒みの一覧表を作り、それをじっくりと眺めます。しかしながらこの表には重大な欠陥があります。それは食べたものが原因で、アトピーがあらわれるまでの時間が全く分からないということです。

 例えば、朝食べて昼頃痒くなったら当然朝の食事を疑うわけですが、原因物質の反応時間が12時間なら昨晩の食べ物が原因になることもあります。

 ましてや1日とかというタイムスケールで反応があらわれる物質があった場合は、折角作った表もほとんど役に立ちません。

 一方生ビールを飲んだときなどは、血管の拡張作用もあるためか、反応は5分ぐらいであらわれます。それやこれやを考えつつ、一覧表の中になんらかの傾向がないか調べました。

 するとビール以外にもなんとなく怪しい物がそれとなく分かってきました。ただしこれは私がそう思ったというだけで確証があるわけではありませんし、他の人ではまた違う物質に反応すると思います。

 さて結果ですが、まず「味醂」が多量に含まれている「魚の煮付け」や「ウナギのタレ」みたいな物は反応しやすいことが分かってきました。

 さらに食物に粘りけを与える「増粘多糖類」や食品の酸・アルカリ度を調整して品質を保持するために使う「PH調整剤」もなんとなく怪しく感じられるようになりました。

 その他食品添加物として、着色料や発色剤、調味料も関心を持っていましたが、これらにはそれほど反応しないように感じました。

 そこで、これらの傾向が分かってからは、より食べ物の成分表示気を配るようになりました。一方、なんとか症状を軽くするために東洋医学の漢方についても調べるようになりました。

 というわけで、ここまでの流れを少しまとめておきます。アトピーの原因は皮膚の過敏反応です。しかし、なぜそのようなことが起こるのかはよく分かっていません。

 そこでいろいろな療法が行われているわけですが、私自身に関していえば、ステロイド剤等による薬物療法は、即効的な効果はありましたが、根本的な解決にはいたりませんでした。

 一方現代人にアトピーが増えているという記述を読んでから、現在と過去の人の生活習慣の違いに注目するようになり、自然環境に目が向くようになりました。

 最初に注目したのは空気です。しかしこれは自分だけの力だけではどうにもなりません。ただ田舎に行ったり、ハワイに行ったりすると症状が改善することは確認できました。

 その次が水です。自宅の水は埼玉県の高麗川水系の水で、30数年前に東京から引っ越ししてきたときはそのおいしさに感動しましたが、いつのまにか普通の水になったように思います。

 そこでアトピー治療の事もあり、水道には浄水器をつけました。しかしこれの効果がどの程度あったのかはまったく不明です。

 そして食べ物です。なるべく自然に近い物を食べるように努力し、自然食のお店にも通うようになりました。しかし自然食そのものの価格の高さもあり、すべてを自然食でまかなうことは不可能であることも分かりました。

 それでも何とかしたいと考え家庭菜園を始めましたが、そこで採れる野菜の味の濃さに愕然としました。今までスーパーや自然食のお店で買っていた野菜の味の薄さはいったい何なのか。

 やはりいろいろな肥料でみかけだけ大きくして、見てくれだけをよくしたのではないかという疑いを拭いきれません。もちろん自然食のお店で売られている野菜はそれなりにおいしい物でしたが、流通の関係からか鮮度が落ちていることは確かです。

 一方冒頭にも書きましたが、あまりに痒みがひどいときは皮膚科に行き、薬を処方してもらいましたが、大半の皮膚科が出してくれる薬はステロイド剤でした。もちろん効果は数日で現れ、皮膚はあっという間に元通りになります。

 しかし効果が薄れると再び痒みがあらわれます。つまり薬は対処療法であって、根本的な解決になっていないということです。

 さて、これだけの努力をしてもなかなか効果が現れないとやはりいらだちます。そこで東洋医学の先生を尋ねることにしました。



東洋医学


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