木綿とアトピーの関係

木綿繊維とアトピー(2011.7.16)

 アトピーと繊維の関係ですが、一般的には化学繊維が良くなくて木綿が良いというようなことが言われています。しかし、私の感覚では必ずしもそんな簡単な分類にはならないようです。

 そこで先ず衣料品に使われている繊維の素材を調べてみました。すると先ず大きく分けて、天然繊維と化学繊維の二つに分けられます。

 さらに天然繊維は植物繊維と動物繊維に分けられ、化学繊維は様々な製法によって分類されているようです。そこでまずは天然繊維の中の植物繊維の代表例である木綿について調べてみます。

 木綿とは何かと言うことですが、これは「ワタ」という植物の種の周りに付いている毛玉のようなもので、実物を見たこともありますが、白色でふわふわして手触りの良いものです。

 主成分はセルロースですが、これは化学式では(C6H10O5)n と表されます。( )内の化学式で表された物質が1つのブロックとなり、それがいくつも結合しているので( )n と書き表します。

 つまりこのブロックがひたすら長くなったものが一つの繊維であり、それがさらに複雑に絡み合って糸のようなものになり、その糸が寄り集まって布になるということです。

 特徴ですが、水や様々な有機溶剤にも溶けず熱にも強いというのが、衣料品として使われる最大のメリットではないでしょうか。化学的にひじょうに安定であるといえそうです。
 ということは木綿そのものが汗等で溶けて、その成分が皮膚と反応してアトピー症状を起こすということはなさそうです。

 しかし実際には木綿の衣料品であっても、洗濯前にはアトピー症状を示すことがありますので、これは衣服として加工するさいに使われた化学薬品が繊維上に残っていると考えるのが妥当なようです。

 なおデメリットとして、縮んだりシワになったりすることがあるので、これを避けるために木綿以外の素材が織り込まれている可能性もあります。 


木綿の加工過程で使われる薬剤(2011.7.17)

 木綿そのものはアトピーの原因とは考えられないようです。しかし新品のTシャツや下着を洗濯しないで着ると、妙に痒みを感じる場合があります。この原因は木綿そのものではなく、衣服としての加工過程にあるのではないかというのが昨日の考えです。

 そこでグーグルを使い「木綿 布の加工 仕上げ」というようなキーワードで、木綿がどのような過程を経て衣服になるのかを調べてみました。

 すると「東京和晒」というサイトが分かりやすい説明をしていました。ここで先ず「染色」という説明を見ました。白い下着やTシャツでない限り、染色はつき物です。しかし染色一つをとっても一冊の本が出来てしまうぐらい内容がありそうなので、それはまた別の機会に。

 そこで白のTシャツに話を絞って見てみると、先ず白い色を出すために漂白が必要です。またこのサイトでは、製造工程でを使うことがあるようで、これを取り除くことも必要と書かれています。

 さらに出来上がった製品の仕上げのためには20種類以上の加工過程があるように書かれています。それぞれの過程がどのようなものかは詳しくは分かりませんが、物理的に力を加えて加工するものと、薬品で処理する加工の二種類があるようです。

 じゃあ実際にどのような薬剤が使われているのかと「Tシャツ 仕上げ加工 柔軟剤 漂白」というような語句で検索してみたところ、オーガニックコットンについてのサイトがヒット。

 これを読むと、今度はなんと、いわゆるコットンの栽培方法について問題点が指摘されています。要するに農作物と同じように、収穫量を上げるために化学肥料、防虫剤、枯葉剤等が使用されている場合があるということです。

 つまり私自身は感じないと思っていた木綿についても、もしかすると素材そのものに化学薬品が紛れ込んでいるかもしれないということです。

 さらに仕上げの過程では糊の使用、コットンの油分の除去、漂白、防縮加工、柔軟仕上げ等が行われるために、かなりの薬物が付着している可能性がありそうです。このあたりが痒みを感じる一番の原因ではないかと思われます。



残留化学物質


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