繊維とアトピーのまとめ

絹製品の特徴とアトピー(2011.7.22)

 天然素材で植物繊維の綿と麻について調べ、ウールについては、一般的な話として布がこすれることにより痒みが生じたり、汗で痒みが生じるという話を書きました。

 大人の場合は、どこが痒いとか、何が原因でということは体験によって想像がつくのですが、子供さんの場合は自分で判断することが出来なので、親が注意しないといけないので大変ですね。

 基本的に夏場に悪化するなら、冬場に悪化するなら乾燥肌(私は両方あります)で、春と秋だけが小康状態です。しかしこの春と秋も何らかの症状が出る子供さんの場合は、いま書いている衣料品のことやそれを洗う洗剤、体を洗う石鹸等を疑う必要があると思います。

 じゃあどんな洗剤や石鹸がいいのかというと、これまたいろいろな人があれがいい、これがいいと書いています。

 しかしこれも使ってみないと分からないなあというのが実感です。高級品なら良いというわけでもなく、むしろ添加物の少ない素朴な製品のほうが肌に優しい場合もあります。

 それはそれとして、動物繊維で残っているのはです。これは私も若干持っています。絹はカイコという蛾の幼虫が作るさなぎの外側の糸状のものを繊維として利用するものです。

 例によってウィキペディアで調べるとフィブロンというたんぱく質から出来ているそうで、この物質の分子量は約37万だそうで、大変大きな分子です。(通常の水の分子量は18です)

 何故そんなに大きいのかと調べると、10数種類のアミノ酸が交互に3500〜4000個連結しているとのことです。またこの連結の構造により、シルクの強さ、吸水性、染色性に関係があるようです。

 実際シルク製品は、その薄さの割りに丈夫な上、手触りもよく、皮膚との触感がサラッとしているので、アトピーには良いように思えます。

 ただ透過性は良いものの、吸水性については、私自身の持っている絹製品の質が悪いせいもあるかもしれませんが、それほど汗は吸い取らないような印象を持っています。ただ乾きが早いので、その意味では吸湿性が良いといえるのかもしれません。

 またあまりにさらさらしていてすぐに型がくずれたり、洗濯に神経を使う必要があったり、高価であることが欠点かなとは思っています。 


化学繊維とアトピー(2011.7.23)

 結局繊維製品は、その表面がどの程度ざらざらしているのか、と言うのが問題なような気がします。

 つまり1本1本の繊維の表面がざらざらしていたり、その繊維に柔軟性がないと、皮膚に接触した部分がちくちくする感じになり、それが皮膚に刺激を与えるということになるのだと思います。

 繊維の1本を丸くて長い円柱状の物体と考えたとき、その表面が、繊維を構成する分子構造により凸凹している場合、及びその繊維に柔軟性がなく、先端が皮膚に接触したとき突き刺さるようなイメージです。

 であるならば、アトピーに良い繊維と言うのは、繊維そのものに柔軟性があり、表面がツルツルしているものということになります。その意味では、製法によりますが化学繊維もいいのではと思えます。

 実際ナイロンやポリエステルといった化学繊維で作られている衣服も我が家には多数あり、その中で特にアトピー症状が悪化したと思える材質のものはあまりありません。

 あえていうと、吸湿性の悪い化学繊維を使ったものは、汗を吸収してくれないので痒くなります。手触りがさらさらしているので、これは良いと思って買ったポロシャツ等が、全然汗を吸わずに肩や首周りが痒くなるという経験を何回かしています。

 その意味では化学繊維は良くない、という印象を持つことも多いのですが、吸湿性、速乾性、透過性に優れたものは、あまりアトピーを感じません。

 なお、化学繊維は静電気を帯びやすいという性質があり、もしかするとこれが冬場のアトピーに関係しているかも、と考えたことはあります。

 電気を帯びるということは、そこに若干の液体(例えば汗)が加われば、容易に皮膚と化学反応を起こすのではないかと思えるからです。



汗とアトピー


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