ペリオスチン?

アトピー性皮膚炎の原因物質(2012.6.12)

 テレビで「アトピー性皮膚炎の原因を解明」したと報道され、慌ててメモをとりました。しかし慌てるまでもなく、新聞にも記事が出ていました。

 それによると、アトピー患者の体内に抗原が入ると、「ペリオスチン」というタンパク質が大量に作られるそうで、このペリオスチンが皮膚の組織に結合し、さらに別のタンパク質を作り出し、これが炎症を起こしていたということのようです。

 実際に、ペリオスチンが働かないように操作したマウスの皮膚にアトピーを引きおこす物質を塗ったところ、アトピー症状は表れなかったということなので、それなら確かにアトピー改善が期待できそうです。

 つまりペリオスチンという物質の作用を抑えるような新薬が開発されればアトピーがよくなる可能性があるということです。

 ではこのペリオスチンとはいったいどうゆう物質なのか。「ペリオスチン」という語句で検索してみると、2008年3月に記事が出ていました。内容は【タンパク質「ペリオスチン」:研究最前線 真菌を修復し、がん増殖を抑制?】(毎日新聞コラムからの引用だそうですが、元の記事は削除。ただし記事内容についてはいくつかのPDFファイルが見つかったので信憑性はあります)と書かれていてびっくり。

 内容はペリオスチンは骨の再生に関係するタンパク質のようですが、心筋梗塞時には心筋の修復に役立ち、がん増殖の抑制にも働いていると書かれていますので、迂闊にこの物質の作用を抑えてもいけないのかなと思えます。

 体内にある物質は、基本的にはありすぎても良くないし、少なすぎても良くないのだと思います。

 またその物質が存在することによって、我々がまだよく分かっていない重要な役割をはたしている可能性もあるわけで、人為的に特定の物質を増やしたり減らしたりするのも考えものかもしれません。 

 と言うことは人為的に増やすまたは減らしたときのメリットとデメリット、何もしないときのメリット、デメリットを統計的にきちんと処理し、その後で人為的に増減をしないと思わぬ結果を招くと言うことになりそうです。

 つまり一人の人間で、飲んだ場合と飲まない場合を同時に調べる事は不可能ですから、たくさんの同じような事例を取り出して統計的に考えるしかありません。

 これは抗ガン剤等の効果についても言えることで、新薬開発はある意味嬉しいことですが、常に副作用も存在するわけで、手放しで喜ぶことは出来ないなと感じました



アトピーを再度振り返って


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