遺伝子組み換え大豆の問題点
(2011.11.23)

 除草剤を使っても成長できるような「遺伝子組み換え大豆」というものについて考えています。基本的には、遺伝子を組み換えて、「ラウンドアップ」という代表的な除草剤を撒いてもそれに影響されない大豆を生産すると言うことだと思います。

 昨日調べた範囲では、確かに大豆そのものの中に、これまでと違った成分が含まれていることは認められているようですが、それを食べることによって影響が出たという実験例は出ていないようです。

 まあその結果がどこまで信用できるかという疑いは残りますが、100歩ゆずって信用したとしても、あと2点問題が残ると感じました。

 第一点は昨日も指摘しましたが、短期での実験しか行われていないので、これまで存在しなかったタンパク質を長期にわたり人体が摂取した場合の影響はまだ不明であると言うことです。

 つまり現時点では大丈夫だから、「長期になっても大丈夫だろう」と信じて食べるしかないと言うことです。この手の問題は、日本の公害の歴史を見れば分かりますが、最初は「何となく変だ」、と言う段階から徐々に「これが怪しい」となり、「企業は生産をやめろ」という運動が起こりますが、「いや、この製品は安全だ」と企業が言い続け、さらに生産が続き被害が拡がるというのが過去のパターンです。

 というわけで日本人はこの手の公害問題が記憶の中に染みついているので、「遺伝子組み換え大豆」という表記をきちんとするように求めているのであり、これは絶対に譲ってはならないことだと思います。(TPPはそのあたりが怪しく感じます)

 もう1点。実はこちらの方を心配しています。それは残留農薬がないのか、ということです。除草剤を撒いても成長できる大豆なら、当然除草剤をがんがん撒いて、雑草を封じ込めることになります。

 しかし雑草だって負けていません。自分たちの遺伝子情報を少しずつ組み替え、除草剤に耐性のある雑草が生き残る筈です。その結果は明白で、耐性のある雑草を枯らすために、さらに大量の除草剤を使用すると言うことになります。

 これはたぶん世界の冷戦状態と同じようなもので、どちらかが新しい武器を開発すれば、すぐにそれに対抗するような武器を作り上げるため、兵器産業は絶対に衰えないということです。

 従ってふりかけられる除草剤の量は、もちろん法的な規制はあるとは思いますが、その規制値目一杯まで使用されるはずで、その結果除草剤まみれの大豆が輸入されるということになりかねません。

 以前果物の輸入で防腐剤の使用等によるポストハーベストが問題になりました。これと似たような問題が起きる可能性があると言うことです。


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