遺伝子組み換え大豆の残留農薬
(2011.11.24)

 除草剤まみれの大豆が本当に輸入されているのかどうか、という部分について調べることにしました。そこで実際に「ラウンドアップ」という除草剤の主成分である「グリフォサート」の残留の程度についてネットで調べて見ました。

 すると先ず除草剤の使い方で大きく二つに分かれることが分かりました。一つは大豆の種を蒔く前に除草剤(ラウンドアップ)を撒き、草を枯らす方法。

 もう一つが、発芽して成長を始めた頃に除草剤を撒き(薬剤耐性があるので、苗は枯れません)雑草だけを枯らす方法。

 まあどちらにしても、そのような方法で大豆を育成している畑は異様な光景だと思います。つまり茶色いくなった雑草が横たわる間から緑色の大豆の苗が成長するというイメージです。

 ただ方法としては、今まさに成長しようとしている時期に雑草がない方が良いので、当然後者の方法でラウンドアップが撒かれます。

 しかしここで問題が起きます。すなわちこのラウンドアップという薬剤は、葉っぱにしみ込むことによって効力を発揮するので、後者の方法では雑草はもちろん薬剤を吸収して枯れてしまいますが、大豆の苗そのものも枯れはしないものの薬剤を吸収するわけです。

 したがってここで残留農薬という問題が生じることになります。この問題についてアメリカは実験を行っているようで、種を蒔く前に1回だけ、種まき前1回・種まき後1回、さらに種まき前1回・種まき後2回と比較しているようですが、最初の残留農薬を1とすると、次が約12倍、その次はなんと46倍だそうです。

 当たり前の結果だと言えばそれまでですが、さらに問題があります。それはこういった実験を行って除草剤の回数を減らす方向ならいいのですが、実際には残留農薬の規制値を上げると言う方向で対処したようです。

 つまり今後TPPに参加すると、大豆に関しては「遺伝子組み換え大豆」がどっと輸入される可能性があり、その際そこに含まれる残留農薬の基準値も、アメリカからの圧力により日本は上げざるを得ない立場になるのではと予想できます。

 実はすでに1999年に厚生省が残留基準を6から20ppmに引き上げている実態も報告されています。今我々が食べている、国産大豆と書かれていない安い豆腐の中には、こういった大豆が含まれている可能性もあります。

 同じ大きさの豆腐が、一方で1丁200円を越しているのに、もう一方で50円以下で売られている物もあります。安いものは歓迎ですが、消費者も「安かろう悪かろう」という基本概念を忘れてはならないと思います。 (後日スーパーで確認しましたが、安い豆腐であっても、遺伝子組み換え大豆は使っていないと書いてあることが多いようです。安心しました)

 それにしても上記のリンクの表を見ると、大豆以外の基準値はすべて1ppmなのに大豆だけが20ppmです。アメリカからの圧力を、この数値にも感じます。 


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