長寿の維持とTPP参加(2011.12.4)

 TPPに参加するかどうかが問題になっていますが、今日の毎日新聞6面に食品の安全基準についてのポイントが分かりやすくまとめられています。 ネットの記事では文章だけなのですが、新聞紙上では表になってまとめられていて分かりやすいです。 基本的にはすべてが規制緩和の方向です。

 そもそも日本がなぜ長寿なのか、という問題にも絡むと思いますが、いわゆる農耕民族であり、草食系の食べ物を好む傾向が強かったことが大きな一因だと私は思っています。

 一方で近年欧米系の食物が入ったことにより、体は欧米化し徐々に大きくなっています。肉食系の食べ物はエネルギーが大きいので、体も大きくなるのだと解釈していますが、反面いわゆる成人病も増えています

 しかし成人病の増加が肉食の増加によるものなのか、単に寿命が延びた事によるものなのか判然としません。しかし私は今は過渡期ではないかなと思っています。

 つまり私を含む、私より少し上の団塊の世代から上の年齢の方の若いときの食生活と、現在の50代前半以下の若い人たちの食生活は明らかに変わっているのではないかということです。

 私より年代が上の人が若いときは、今ほど欧米系の食事をしていなかっため長寿になったとも考えられます。では欧米系の食事が増えた若い方たちの寿命がどうなるのか?これは今後の統計に少しずつ表れてくるのだと思います。(もちろんもっと長寿になる可能性もあります)

 そんな中で、日本人の食物に対する潔癖性も長寿の一因かなと思っています。過度の清潔志向は好ましいとは思えませんが、残留農薬や食品添加物、遺伝子組み換え、BSEといった問題には、かなりシビアに反応する国民性だと思いますが、それが長寿を後押ししているとも考えられます。

 食習慣の変化と日本人ならでは潔癖性が今後どのような影響を及ぼしていくの。

 そういった中でのTPPは、ほとんどすべてが規制緩和の方向性になっています。それでいいのか?当初は自由競争も必要なのではと思っていましたが、段々不安になってきました。以下に毎日新聞に掲載された表を載せます。

    日本 米国の制度と要望
食品添加物 使用したすべての添加物の表示
義務づけ
簡易表示が可能
国際的に認められている添加物の
早期審査を要望
残留農薬 新農薬の審査に
2〜3年
新農薬の審査迅速化
収穫後利用できる農薬の拡大
規制緩和を要望
遺伝子
組み換え食品
使用の表示を義務づけ 表示は不要
日本の表示義務緩和を要望
米国産牛肉輸入 月齢20ヶ月以下に限定 国際基準(月齢30ヶ月以下)に
合わせるよう要望

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