化学肥料の功罪

野菜中の栄養価の減少とその原因(2012.5.13)

 健康な生活を送るためには食事と運動、そして規則正しい生活をすることが大事であると書いて、その後その趣旨に従って、特に規則正しい生活をするためにきちんと就寝時間を確保しようという観点から不眠についていろいろ考えてきました。

 そしてさらに、人間にとって人類の進化の歴史(大袈裟ですが)から、血液、内臓、脳や神経系がバランス良くはたらくことで体の不調が軽減するはずで、一見まったく何の関係もないと思われるような病気も、実は体の不調と言うことでは共通点または関連があるのではと推定しました。

 つまり健康な体を維持すると言うことは、最初に上げた、食事、運動、規則正しい生活のどれもがきちんとバランス良く行われていないと維持できないと言うことです。

 従って普段の生活の中で、上記のことを意識して病気というか体調不良になる前に未然にくい止める、というのが健康維持の秘訣かなと思います。しかしよく考えるとこれも当たり前のことです。

 このところ何かを調べて、そのために何を改善したらよいかと言うことを調べていくと、結局運動、食生活、生活習慣に必ず戻ってくることが分かってきました。

 というわけで今度は食生活についてです。先ず、野菜不足と言われる昨今、本当に野菜不足なのかについて先ず調べてみました。そこでネットで「野菜摂取率 推移」というような検索語句で調べてみると、「VEGETABLE&FRUIT」というページが見つかり、そこに農林水産省から発表された野菜消費量推移のグラフが出ていました。

 これによると昭和60年(今からおよそ27年前ぐらい)には、一人あたり年間111kgだったものが、平成19年度には94kgぐらいまで下降しています。およそ15%の減少です。一方果物は一人あたり40kg前後で、これはほとんど変化していません。

 一方良く例に出されますが、ホーレンソーの栄養価が年を経るごとに減少しているという記述もあります。それによれば昭和25年にくらべて、昭和57年は半減、平成17年はさらに半減、すなわち4分の1になったということです。

 ただし測定方法の変遷がありますので、単純に4分の1になったとは言い切れないようです。とはいうものの栄養価が落ちているのは事実のようで、野菜摂取量が15%減った上に、野菜そのものに含まれる栄養素も低下していたのでは、思わずサプリメントで補充をしないと、という発想になってしまうかもしれません。

 もちろんこれはホーレンソーだけでなく、すべての野菜に共通している現象です。そこで今度はその理由を調べてみましたが、まあこれは想像通りの結論です。

 要するに人糞や堆肥といった有機肥料から化学肥料に変わったと言うことですね。結局化学肥料というのは、合成された肥料ですから、特定の物質を多く含んでいるものの、トータルとして見たときミネラルやビタミンが少ないため、野菜の見かけは大きいものの、味が薄くなり水っぽくなるということのようです。


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