野菜が体に良い理由(2012.5.15)
一般的に野菜は体に良いとされていますが、何故体によいのかをきちんと説明されたことはないような気がするので、自分で調べてみました。
すると先ず「自然界における窒素の循環」という話が出てきました。そもそも人間の体を構成している元素は、炭素、水素、酸素、窒素の4つが主成分になっています。
そこで体が細胞分裂をして成長するためには、当然これらの元素を呼吸または食べ物の形で取り込まなくてはなりません。そこでどうするかというと、これらの元素を含んだ食べ物を食べることになります。
ではどんな食べ物が良いのか、という話になったとき、窒素循環という話になります。要するに空気中の窒素がバクテリヤにより取り込まれ、これが土壌中に窒素を含んだイオン(例えばアンモニウムイオン)となって放出され、それをさらに植物が根から吸収して窒素の化合物を作ると言うことです。
元は空気中の窒素ですが、動物はその窒素を呼吸等によって取り込んでも、そのまま排出するだけで利用は出来ません。動物が窒素を取り込む方法としては、植物を食べるか、植物を食べている動物を食べる事によって窒素を得ています。なお人間の体内で不要になった窒素は尿素という形で排泄されます。
要するに人は自分では窒素を取り込むことが出来ないので、植物や草食動物を食べることによって、その中に含まれている窒素を利用していると言うことです。
ではそれ以外に植物(野菜)を食べる意味があるのかというと、どうやら植物の最大の特徴である葉緑素が関係していることが分かりました。いろいろ調べてみると、葉緑素の分子構造と人間の酸素運搬を行うヘモグロビンの分子構造は、中心にある元素がマグネシウムか、鉄かの違いだけです。
従って、緑の濃い野菜を食べると、葉緑素が大量に腸に入り、そこから肝臓に移動するとき周辺に鉄イオンがあるとヘモグロビンの基本形が肝臓に蓄えられるわけです。
いくつかのブログでは、たとえば貧血の患者さんには鉄剤を与えればよいと言う結論を出す内科医さんが多いけれど、実際には野菜不足なんだから野菜を補う必要があるのでは、というコメントが多く見られました。
かつて私の教え子の女の子が貧血で悩んでいて、医者にかかっていると聞いたので、「普段何を食べてる?」と聞いたら「野菜が嫌いでカップラーメンのような加工食品やハンバーグ、ソーセージみたいな合成肉類が多い」と答えたので、「それでは一生貧血は治らないから、ともかく緑の葉っぱを芋虫になったつもりで食べなさい」と教えたところ、多少本人も気になったようで、少し野菜を食べるようになったら、医者からもらっていた薬(鉄剤?)が減ったと言っていました。
野菜嫌いの人で貧血の人は、自分が一番食べやすい新鮮な緑色の野菜を、少し多めに摂ることをすすめます。