ミツバチの減少と農薬

ネオニコチノイド系農薬の是非(2012.5.31)

 今朝のテレビでミツバチの減少と農薬の関係が取り上げられていました。農薬と言っても様々のものがあるのですが、報道ではその中でネオニコチノイド系農薬という名前が示されていました。

 この農薬の中味ですが、ニコチノイドという語句から連想されるようにニコチンに類する物質を意味しています。

 ではニコチンとは何かというと、まあこれは知っている方も多いと思われますが、タバコの葉に含まれる成分で、ひじょうに強い毒性を持っています。

 たばこ等でニコチンを摂取すると、脈拍が上昇し、一時的な精神的高揚感をもたらします。乳幼児のたばこの誤飲問題もあるそうですが、アメリカではたぼこ2本以上が基準とされているようです。

 いずれにしてもニコチンはほぼすべての生物に対して毒性を発揮します。そこでこの性質を利用して、人間には毒性が低く、昆虫類には毒性が高いものとして開発されたものがネオニコチノイドという物質だそうです。

 元々はカメムシ等の駆除に使われていたそうですが、当然ミツバチも昆虫ですから、影響を受けてしまうようです。また人には毒性が低いと言われていますが、乳幼児等への危険性も指摘されているようですし、実際に健康被害の報告もなされているようです。

 ではこのニコチノイド系の農薬はどこで使用されているのかを調べてみると、以下のようです。

成分 商品名 用途
イミダクロプリド アドマイヤー、メリット 野菜の定植時
アセタミプリド モスピラン、マツグリーン
イールダーSG、アリベル
果樹、野菜のアブラムシ
シロアリ駆除、松枯れ対策
ジノテフラン スタータクル カメムシ、ウンカ、アブラムシ
シロアリ駆除
チアメトキサム アクタラ アブラムシ防除
ニテンピラム ベストガード 稲のウンカ、野菜のアブラムシ
クロチアニジン ダントツ カメムシ、ヨコバイ、アブラムシ


 早い話が、水田のカメムシ退治、果樹遠洋の殺虫剤、松枯れ防止剤、ガーデニングの農薬、シロアリ駆除等に導入されているということです。

 さらに調べてみると、欧米に比べるとこれらの残留農薬の規制値が日本は高いようで(つまりたくさん使用してもOK)、リンゴ、ブドウ、イチゴ等我々が普段口にする果物の中に含まれている実態もあるようです。

 こうなってくると、この農薬使用は原発事故の放射線より恐ろしいような気がするのですが、農水省では、今のところ実態把握も規制も行っていないようです。日本産の果物を食べるのが怖くなってきました。


表紙に戻る 食べ物と健康 砂糖の過剰摂取