バランスの良いカロリー制限

カロリー制限と長寿の関係(2012.12.22)

 「カロリー制限」というと「ダイエット」に結びつける方が多いと思います。先日図書館から借りてきた『「病気にならない人たち」は何をしているのか』と本の第3章は、カロリーを制限すれば寿命が延びる、と言う内容でした。

 この章では、絶食をしている蜘蛛の方が普通に食べている蜘蛛より長生きする、食事制限をしたマウスは、食事制限をしなかったマウスの2倍以上生きる、カロリー制限をしたサルは心疾患や糖尿病等の加齢に伴う病気の発症率が下がる、アルツハイマー病にもなりにくい、等の報告がまとめられています。

 人間の場合は生存年数が長いので、実験はおこなわれているものの結果はまだ得られていないようです。ただカロリー制限食では、コレステロール値や血圧が下がる事は間違いないようです。

 ただしこれらの実験結果は単に長寿になると言う効果だけを見ているのであって、食欲という欲求を満たす側面は考えていないことになります。

 またすべての生物は、その細胞が代謝できる量に限界があって、その限界に近づくと寿命を迎えると考えれば、たくさん食べれば食べるほど代謝活動も活発になり、その分寿命が短くなると考えることも出来ます。

 そう考えると、要するに太く短く生きるか、細く長く生きるかというような問題でもあるような気もします。ファンタージーの世界では、枯れ木のような長生きした老人がよく出てきますが、そのイメージでしょうか。

 一方、この本では食べ物(カロリー)を減らせば、必然的に栄養不足になる可能性もあると指摘しています。食べ物を減らしながら、いろいろなものを万遍なく食べるというのは、理想的であるような気もしますが、料理を作る方は大変ですね。

 肉や魚、野菜、果物をほんの一切れずつ何種類も用意しないと、栄養が片寄ると言うことになりかねません、カロリーを減らすために野菜食ばっかり摂れば、必然的に体内のエネルギー量は減ってしまうような気もします。

 実際この本でも、きちんと栄養を満たさないカロリー制限では、筋肉の減少やホルモンの変化、倦怠感、下痢、骨密度の減少、胆石、イライラ等の精神症状をもたらすと指摘しています。

 またこういったカロリー制限に目覚めて実践するのはいつからがいいのか、と言うこともよく分かっていません。今まで散々飽食をしていたのが、急にカロリー制限に目覚めるといような急激な変化がもっとも体調に悪そうだなと言うことは容易に想像できます。

 最後に「カロリー制限協会」という団体が提唱しているカロリー制限のヒントをまとめておきます。

・ 砂糖や小麦粉は摂取しない。(カロリーが多い割に栄養は少ないとの指摘です。
・ 緑陽野菜と葉物以外の野菜の両方を食べる。
・ タンパク質の摂取量は必要最低限にする
・ 脂肪の摂取量を制限し、その質を精選する

だそうですが、「それでもやっぱり美味しいものをたらふく食べたい」と私は思ってしまいます。

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