アルミニウムの過剰摂取が
子供が切れる原因かも

ふくらし粉(ベーキングパウダー)にはアルミニウムが含まれています(2013.6.20)

 ヤフーニュースの朝日新聞デジタル版に「アルミ添加物、使用基準を設け規制へ 菓子やパンに使用」という記事が出ていたので、「ありゃりゃ、アルミニウムが食品に入っているのか?」と思い内容を見てみました。

 アルミと言えば、台所ではアルミ箔を思い浮かべると思いますが、要するに金属の仲間です。金属だから摂取すると良くないと言うわけではありません。実際我々の体の中には鉄分や亜鉛、マグネシウムと言った金属元素が含まれています。

 ただこの記事によれば、アルミニウムの場合は多量に摂取すると神経系に影響が出る心配があるということなので、どんな添加物の中に入っているのかと言うことを知る必要があるなと思いました。

 記事に寄れば、1〜6歳の子供の体内に入るアルミは、4割が砂糖、菓子類、3割が穀類からだそうで、ふくらし粉に含まれるミョウバンが影響していると書かれています。

 ふくらし粉(ベーキングパウダー)というのは、化学的には炭酸水素ナトリウムが主成分となっていて、化学式はNaHCO3です。白い粉末ですが、これに熱を加えると、

2NaHCO3 + 熱 → Na2CO3 + H2O + CO2 という化学変化が起こり、CO2(二酸化炭素)気体として発生するので、これが菓子類の生地を膨張させます。(ホットケーキが分かりやすい例かも)

 一方水分は蒸発しますが、Na2CO3(炭酸ナトリウム)は生地の中に残っています。この物質はナトリウムの性質が強く出てアルカリ性を示し、そのままにしておくと苦味が出ますので、ふくらし粉として売られている物は、NaHCO3以外にこのNa2CO3を中和する物質が加えられています。

 その物質の一部にミョウバン(AlK(SO4)2・12H2O)が使われているわけで、化学式を見れば分かるように、この中にAl(アルミニウム)が含まれています。

 従って何らかの生地を作ってふくらし粉を使って膨張させるような菓子パン、ドーナツ、ケーキ、ホットケーキ、ビスケット等の菓子類にはアルミニウムが含まれているという結論になります。(通常のパンはふくらし粉ではなく酵母菌による発酵によって作っていますので、ふくらし粉は使われていません)

 ただ一般的にはその量はひじょうに少ないはずです。ウニの保存等にも使われていますから、いたずらにミョウバンや菓子類を敵視する必要もないように思えます。

 とはいうものの子供の場合、菓子類だけを食べて通常の食事をしないと言うことも充分にあり得ます。その場合摂取量が増えるのは当然です。ふくらし粉とかベーキングパウダーと書かずに、単に膨張剤と書いてあるお菓子もいっぱいあるように思います。

 スナック類を食べ過ぎる子供はキレやすい、と言うような噂?を聞いたこともありますが、アルミニウムとの関係ももしかしたらわずかながらあるのかもしれないなと、記事を読みながら考えてしまいました。

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