お茶をいれるだけで一苦労

2019.2.16 

 自宅に戻り、何とか左手で鍵を回し、さらにその鍵は左ポケットへ。左ポケットに入るものが多くなり、上着全体が左に傾いていきます。それでも何とか玄関に入り、左手でドアを閉めて左手で鍵を掛けます。

 「この調子で左手を使い続ければ、数か月後には左手の動きも器用になるだろうな」と思いましたが、同時に「こんなに右手と左手の器用さに差があったんだ」と認識。

 人間の左右の動作は、右手、左手のそれぞれの動作が一つの回路として脳内ネットワークに刻み込まれているんだなと思いつつ、何とか手を使わず靴を脱いで、慎重に廊下に上がりリビングへ。

 いつもの椅子に辿り着いて座り込み一段落ですが、「いやはやこりゃ大変だ」という気持ちばかりが先に立ち、若干ですが手首そのものから発する痛みを忘れていました。

 しかし着ていたブルゾンを脱いで、愛用の冬用半纏を着ようとすると、右腕の角度によって痛みが生じ、「あ〜骨折したんだった」と言うことを思い出します。

 それでも自宅の椅子に落ち着いて、とりあえず休憩だと思い、お茶を飲むことに。お湯を沸かすために台所に行き、やかんを左手で持ち、我が家の水道はレバー式なので、右手のギブスでレバーを上から下にちょっと叩いて水を入れます。

 適当に水が入ったところで、今度はギブスの上側を使ってレバーを上に上げ水を止めます。いったんヤカンをコンロの上にのせると左手が空くので、やかんに蓋をのせます。

 続いて左手を使ってコンロに点火。我が家のコンロは点火のためにスイッチを数秒押し続けるタイプのもので、押すだけなら右手でもできますが、押し続けるのは痛みがあって無理。というわけでまたしても左手の出番。

 ようやく点火し、次がお茶の用意。戸棚からお茶ッパを取り出すのも左手。そのお茶ッパを私は面倒なので茶こしに入れて、その茶こしを愛用のマグカップにのせて上からお湯を注ぐというやり方でお茶を飲んでいるのですが、マグカップを用意し、そこに茶こしをのせ、さらにその中にお茶ッパを入れるという単純な作業をすべて左手だけで行う必要があります。

 必然的にすべての動作に時間がかかり、時にうっかり右手を使おうと動かしてしまい、そのたびに手首部分に痛みが生じ、「なんてことだ!」と思いつつ作業。

 その間にお湯も沸き、ガスを止めて、やかんを持って、お湯を茶こしの上から注ぎます。すべて普段は無意識の動作で完了できるはずですが、今はいちいち、次はこの動作を左手にやらせようと意識しないとできません。

 すべて何とかやり終え、出来上がったお茶をこぼさないように左手で持ってリビングの椅子に移動。「ふえ〜、こりゃ疲れるな」と思いつつ、ようやくお茶にありつきます。





キーボードが使いにくい


骨折


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